ビックカメラ、ワークマン、アルペン…… 異業種の参入で盛り上がるアウトドア市場の今長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/5 ページ)

» 2020年10月13日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]
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刀との協業で客数が倍増

 16年7月、兵庫県三木市にオープンした「ネスタリゾート神戸」は、年金受給者の保養施設だった「旧グリーンピア三木」の跡地を再生。日本初となる総合的な大自然の冒険をコンセプトとした、アウトドアのテーマパークだ。企画には、18年からUSJを再建したマーケッター、森岡毅氏が率いる「刀」が参加している。刀との協業で1年もしないうちに、客数、売り上げともに倍増し、軌道に乗った。

ネスタリゾート神戸、天然温泉延羽の湯

 約230万平方メートルにも及ぶ広大な敷地に60もの施設がそろっておりアウトドアの百貨店ともいえる内容だ。

 例えば、天空を飛ぶ鷲のような体験ができる「スカイ・イーグル」、透明の球体カプセルに入って丘陵を転がる「キャニオン・ドロップ」、水のトンネルを潜り浮島を回る「ワイルド・カヌー」がある。また、動物に餌をあげたり、野菜を収穫したりといった体験を提供している。さらに、ボルダリング、プール、グランピング型バーベキューなどのアクティビティーだけでなく、天然温泉、ホテル、宿泊コテージもそろえている。子どもから大人まで、予算と滞在日数に応じて遊べるのが特徴だ。

ネスタリゾート神戸、アドベンチャー・キャニオン

 このように、アウトドアビジネスは、東京五輪に向けて健康増進の機運により盛り上がっていた。しかし、新型コロナの流行によるソーシャルディスタンス、密を避ける感染予防意識の浸透で、より一層勢いが加速しているといえるだろう。

著者プロフィール

長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)

兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。


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