「人が集まる」「人に直接会う」ことで稼いできた企業が、新型コロナを契機に自社戦略の見直しを迫られている。どのようにして「脱・3密」や「非接触」を実現し、ビジネスチャンスを生み出そうとしているのか。
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政府が補正予算1兆6794億円を注ぎ込む観光活性化事業「Go Toキャンペーン」の第1弾である「Go Toトラベルキャンペーン」がスタートして1カ月が過ぎた。
その成果には賛否両論があり、観光地でも「旅行の需要喚起は時期尚早だったのではないか」との空気感が強い。また、新型コロナウイルス感染症の再拡大のため、東京都が除外された。全国的に感染が広がって、沖縄県、福岡県、大阪府、愛知県、岐阜県などが独自の緊急事態宣言や緊急事態措置、コロナ警報を発令するに至った。
国が旅行を推奨しつつ、自治体が外出や都道府県を跨いだ移動の自粛、飲食店の時短営業を要請するという矛盾した状況に陥った。
赤羽一嘉国土交通大臣は8月25日の記者会見で、旅行会社が割引を反映した商品を販売し始めた7月27日から8月20日までに、延べ420万人の利用があったと発表。菅義偉官房長官も、キャンペーンは効果があったと主張している。実際、キャンペーンのおかげで「一息つけた」「かなり顧客が戻った」と喜ぶ業者も少なくない。
観光地の反響はどうか。「観光県である沖縄の立場からは、旅行に行こうというマインドを上げるのには好材料」(財団法人 沖縄観光コンベンションビューロー)と積極的に評価する向きがある。一方、京都市役所では「修学旅行などの団体旅行がなくなり、インバウンドも消滅している。祇園祭をはじめとする祭も、中止もしくは規模を縮小している現状では厳しい」としており、キャンペーンの効果は限定的との見方もある。
数少ない勝ち組に、淡路島が挙げられる。「大阪や神戸から観光客が詰めかけている。ホテル・旅館は満室に近い」(淡路島観光協会)という状況だ。
「Go Toトラベルキャンペーン」は妙案なのか愚策なのか。観光地の本音を探ってみた。
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