バブル崩壊の痛手から立ち直り、目覚ましい復活を遂げた熱海温泉(静岡県熱海市)。熱海駅前の商店街に行ってみると、名物の牛乳瓶に入ったプリンを売る「熱海プリン」の店頭に行列ができていた。アーケード商店街の人通りも多く、賑わって見えた。しかし、商店街で聞いたところによると人通りは昨年の7割程度だという。
7月の花火大会は中止したが、8月には5回開催した。開催にあたっては、例年より時間を短縮し、人が集まり過ぎた場合には別の場所に誘導するなど、ソーシャルディスタンスに配慮した。
関東のほとんどの場所では海開きを中止しているが、こちらの海水浴場は営業を行った。ただし、昨年と比べて営業日数を19日短縮しており、密にならないよう人工知能搭載カメラで監視している。その結果、市内3カ所にある海水浴場の入場者数は、前年比2割減の約11.5万人となった。ところが、海開きが終わった8月30日も熱海サンビーチにはかなりの人が集まっており、泳いでいる人もいた。
海水浴場を営業していない神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜でも、8月30日にはかなりの数の人が泳いでいた。海の家もなく昨年の3割以下の客数と思われるが、監視員がいないため、危険な状態だと見受けられた。
観光が主要な産業となっている北海道、京都、沖縄は苦戦している。
北海道観光振興機構は「北海道は、玄関口の新千歳空港が大幅に減便となっている状況で、北海道新幹線の乗車率も例年を大きく下回っている。非常に厳しい」と、危機感を募らせる。毎夏、札幌市の大通公園で約1万3000席の規模で実施される「さっぽろ大通ビアガーデン」も中止している。
富良野の「ファーム富田」にあるラベンダー畑も、美瑛町と結ぶ観光列車ノロッコ号が、席数を6割に抑える規制を行うなど、3密回避策を行った影響もあり、例年の6〜7割の集客となった模様だ。札幌市民は「積丹ブルー」の海を見るために、車で積丹半島に出掛けた人が多いようで、現地は昨年よりも観光客が増えたという。
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