在宅勤務への移行に伴い、定価で10万円以上するオフィスチェア400脚以上を、社員の自宅に配送した企業がある。スマートフォンゲーム「白猫プロジェクト」などを開発・運営するコロプラだ。
同社は、緊急事態宣言後すぐにオフィスの40%縮小を決断。恵比寿ガーデンプレイスタワー5階分(計4フロア)のうち2階分(1.5フロア)を解約するにあたり、余った椅子を希望者に譲渡した。同社は約950人の社員を抱えているが、エンジニアやデザイナーなど座って作業に集中する職種が多い。在宅勤務でも仕事に適した椅子を望む声が多く、最終的に442脚を社員の自宅へ配送した。
もともとコロプラは、オフィスに対してこだわりの強い企業だ。配送した椅子のうち、執務室で使用していた「エルゴヒューマン」は、社長が10ブランド以上を試して自ら選んだものだという。広いフリースペースにはソファやビーズクッションが並ぶ。社内にはマッサージ師も常駐していて、社員はマッサージ室を予約するだけで施術を受けられる。専門書から漫画まで取りそろえた社内図書館もある。
これだけオフィスにこだわりがあるコロプラがオフィス縮小を決断したのには、どのような経緯があるのか。同社の原井義昭さん(取締役CFO兼CHRO)に話を聞いた。
原井さんは「始めは在宅勤務への抵抗感がかなりありました」と話す。これまでコロプラがオフィスを重視してきたのは、雑談を含め、社内でのコミュニケーションがゲーム作りに必要なアイデアを生み出すと考えていたからだ。
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