攻める総務

高級椅子442脚を社員へ譲渡、朝礼も廃止──“こだわりのオフィス”を4割縮小、コロプラの決断コロナで方針転換(3/4 ページ)

» 2020年11月02日 07時00分 公開
[秋山未里ITmedia]

 動画の前で話す姿勢や編集能力が社員のモチベーションに関わることが分かり、コロプラの経営陣の間では「これからは(社内)YouTuber経営だ」と話しているという。

 「全社集会の動画は広報と協力して作りました。われわれは普段ゲームを作る職種ではありませんが、『面白くなければ無価値』であるゲーム業界で働く社員と同じ意識で、面白い動画を作ろうと意識しました。大変さはあったけれど、コロプラらしさが出せてとても良かったです」(原井さん)

“こだわりのオフィス”の多くの機能をオンライン化

 在宅勤務の実施を始めた4月以降も、より多くの社員が在宅で十分に仕事ができるように取り組んだ。

 業務システムでは稟議のオンライン申請システム、電子サイン、経費精算システムを導入することで、紙とExcelで実施していた業務を改革した。

 コミュニケーションを促すため、オンラインランチ会のサポートを実施。ランチ会の費用を1回の実施につき1人に1000円支給している。

 オフィスにある本や雑誌、漫画を貸し出す「クマ図書館」もオンライン化した。蔵書の検索ができる専用ページから申し込みを受け付け、総務が自宅に送付している。

photo 「クマ図書館」には取締役が選ぶ“今月のおすすめの1冊”のコーナーがある。オンラインからも確認できる。

 社員の在宅環境の向上を支援するため、「Amazonビジネス」も導入した。専用アカウントで購入手続きを行うと、所属上長と総務の承認後、経費精算不要で自宅に商品が届けられるシステムで、PC周辺機器などの備品や書籍を対象としている。

 健康管理に関しては、在宅勤務での健康管理を支援する社内ポータルサイトを作り、情報発信をしている。また、半年に1回だった従業員調査を月に1回に変更して、従業員の健康やモチベーションの状況を確認し、面談などのフォローにつなげている。

 オフィスの環境を向上し、集まることを重視していたコロプラだが、「時代の変化に柔軟に対応する必要があると感じました」と原井さんは話す。こだわりのオフィスが持つ多くの機能をオンライン化できた。

photo 社内のマッサージルームは、オフィス縮小以降も運営している。健康支援のポータルサイトには、マッサージ指圧師から、在宅でのストレッチなどに関するコラムも掲載している。
photo マッサージルームの名前は「Kuma SPA」

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