第3次タピオカブームを振り返る(1/2 ページ)

» 2020年11月22日 09時00分 公開
[ニッセイ基礎研究所]
ニッセイ基礎研究所

本記事は、ニッセイ基礎研究所「第3次タピオカブームを振り返る」(2020年11月16日掲載)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集の上、転載したものです。


 2018年頃から続いた第3次タピオカブームも下火になった。本レポートでは今回のタピオカブームを振り返り、過去のブームとの性質を比較する。また、コロナ禍で市場はどう変化したか、タピオカブームはどこへ向かうのかも併せて考察する。

1――タピオカブームの歴史

 テーマパーク「東京タピオカランド」が東京・原宿駅前に期間限定でオープンし、「タピる」「タピ活」などの流行語が生まれるなど、2019年はまさにタピオカイヤーだった。昨今のブームは2018年以降に始まったとされ、第3次タピオカブームと呼ばれている。

 タピオカが初めてブームになったのは1992年頃で、エスニックブームのあおりを受け、ココナッツミルクとともにブームとなった。第2次ブームには諸説あり、2003年に誕生した日本生まれのタピオカ&クレープ専門店「パールレディ(Pearl Lady)」の台頭により2008年にかけて店舗を増やしていった時期と捉える説や、2013年に台湾からタピオカミルクティー発祥の店とされる「春水堂(チュンスイタン)」が日本に上陸し、市場を拡大していった時期を指すこともある。

 そして2018年以降の第3次ブームであるが、これは台湾ブームが牽引(けんいん)している。LCCが就航したことで若者が気軽に台湾に行けるようになったこともあり、エイビーロードの「海外旅行調査2019」によると台湾は渡航先ランキングで5年連続1位だったという。またタピオカブームが起こった前年のエクスペディア・ジャパンの「2017年度グルメ旅行に関する意識調査」によると、グルメを目的として「行ったことある」海外旅行先として1位に台湾が選ばれるなど台湾フードブームが起こっていた。このような背景から、台湾のタピオカ店が数多く上陸したことが要因といえるだろう。

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 また、消費したものをSNSに投稿するという一種の流れが若者の消費文化の一側面として定着しており、マカロンやパンケーキ同様にタピオカもインスタ映えの対象となった。併せて前述した通り、SNSの投稿から派生した「タピる」や「タピ活」といった新語が若者文化からマスメディアを通じて大衆文化へと変化していったことも人気拡大の要因であったといえるだろう。

2――コロナ禍のタピオカ

 しかし、夏場に比べて今がシーズンではないことや、新型コロナウイルスの影響もあるだろうが、大手チェーン店の行列が以前と比較して短くなったように感じるのは筆者だけだろうか。

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