新規感染者が全国で急増していることを受けて、日本医師会ができるだけステイホームしようと「我慢の3連休」を呼びかけた。
緊急事態宣言下や8月のときよりも増加ペースが早いので、このままいけば医療崩壊の危機もあると警鐘を鳴らしているのだ。同様の指摘は政府のコロナ対策分科会からも出ている。これを受けて、菅義偉首相は「マスク会食」の協力を国民に呼びかけた。
会食をする際にもモノを食べるとき以外は、なるべくマスクを外さないという例のアレだ。そこに加えて、「Go To キャンペーン」の見直しをすると決定。感染者が増えている北海道では、Go To トラベルの予約を一時停止する方向で調整といった報道もある。いよいよ自粛ムードが漂ってきた。
しかし、その一方で3連休の人出を見る限り、医師会や菅総理の呼びかけはあまり世間の人々には届いていないようにも見える。
ドコモ・インサイトマーケティングが11月21日の人出を調べたところ、札幌駅前や新宿駅前など前週から減少している地点もあるが、大阪市の繁華街・ミナミの道頓堀周辺は前週比4.6%増。京都市の繁華街・四条河原町周辺も同4.4%増えている。
実際、テレビが京都や鎌倉という有名観光地から中継すると、満員電車のようなすさまじい混みっぷりの映像が流れた。テレビのインタビューを受けていた、鎌倉の小町通りのお店の人によれば、「今年1番の人出だ」という。
感染者急増を受けて直前にGo Toを止めようと思ったが、キャンセル料が高くなるので仕方なく出かけてしまった人もかなりいるのだろうが、人でごった返しているのは観光地だけではない。「我慢」をしているとは言い難い状況だ。
「マスク会食」も然りである。ニュース番組で居酒屋に協力してもらって、定点カメラで客が「マスク会食」をしているかどうか調べたところ、3時間ほど撮影してもそのような客はゼロだった。みなマスクを外して「密」な感じで談笑をしているのだ。
「ヤバい状況になってきたので皆さん気を引き締めてください」と呼びかける専門家や政府と、世間のムードにかなり温度差があるのだ。
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