C-CABINの内装は非常にシンプルに見える。そこにも同社のこだわりがあるという。
「開発する上で、活動している隊員から要望を聞きつつ、潜在化している課題も見つけるようにしている。シンプルかつ整然としたものが風化しにくく、フレキシビリティがあってさまざまな人が使いやすいかと思う。何年後かに『これ良かったよね』と思える製品になると思っている」(飯野氏)
今後同社はコンセプトカーを基に各消防本部へのヒアリングを重ねさらなる品質の向上を目指す。21年11月までに開発を完了し、22年1月からの量産化を予定している。さらに将来的には、東アジアなどでの展開も目指す。
「私たちが開発した救急車は、インフラが整っていない国で活用できれば助かる命も増えると考えている。また、現地で自動車を生産できればその国に大きな経済効果をもたらす。そういう意味でも海外展開を実現していきたい」(飯野氏)
現在、救急車の平均価格は1400万程度だという。各自治体によって必要な技術を追加することで金額が変動し、導入する医療機器などを含めると3000万円以上になるという。同社もまずは現行の救急車と同等の価格での販売を目指す。また、量産化した後も新たな技術の開発を進め、追加提案していく考えだ。
新型コロナウイルス感染拡大もあり医療現場に注目が集まる今、新たな技術を取り入れたC-CABINが果たす役割は大きいのではないだろうか。近い将来、国内外でC-CABINが活躍する日が訪れるかもしれない。
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