各地で新型コロナウイルスの感染者数が増加するなか、最も振り回されているビジネスと言えば、外食産業だろう。感染者数の変動によって、店で提供できるサービスが左右されてしまうからだ。
しかし、マスクを外して食事をする飲食店では、ソーシャルディスタンスや消毒を徹底していても、完全にウイルスの感染を防ぐことが難しいのも事実だ。そのため、政府や自治体のガイドラインに従って、ビジネスを継続させるしか方法がない。とは言え、ウイルスの感染予防対策にかかる費用や時間などは、飲食店にとってかなりの負担になっている。
やっかいなのは、コロナ禍がこの先どれくらい続くのか、誰も予測ができないことだ。となると、このまま営業を続けるべきか、店を畳むべきか悩む経営者も多いだろう。
そのような苦境の中、外食産業で注目されているのが、デリバリーを専門としたキッチン設備のみで展開する「ゴーストキッチン」の存在だ。聞き慣れない名前かもしれないが、ゴーストキッチンは決して新しい業態ではない。このビジネスモデルを採用して最も成功しているのが、フードデリバリーではお馴染みの宅配ピザだ。
近年、テクノロジーの進化などにより、提供できる料理やサービスが向上しているため、世界的にフードデリバリーの人気が高まっている。フードデリバリーのビジネス規模は、過去5年で約2倍に成長しており、さらにコロナの影響を受け勢いが止まらない状況になっている。
こうしたフードデリバリーの需要を受け、ゴーストキッチンは2030年までに世界で1兆円規模のビジネスになると予測されているため、いま最も注目すべきトレンドとなっている。
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