家系ラーメンの「町田商店」が超えた「多店舗展開10億円の壁」 カギはシステムパワー経営にあり飲食店を科学する(3/5 ページ)

» 2020年11月30日 05時00分 公開
[三ツ井創太郎ITmedia]

グループ店舗だと気付きにくい「屋号が自由」

 そして、食材調達面だけではなく、ラーメン開業希望者にとってうれしいのは「屋号が自由」という点です。

 一般的なフランチャイズ店では屋号は本部と統一になりますが、同社のプロデュース店では店主が自由に店名を付けられます。こうした点は「開業して自分の城を持つなら自分の店名で営業したい」というラーメン開業希望者からも大きな支持を得ました。

 街中にある加盟店を見ても店名が違うため「町田商店」のグループ店舗だと気付かない方も多いかと思います。

町田商店(左)とプロデュース店舗(右)(提供:ギフト)

 一般的に飲食店ビジネスは成功確率が低いとされています。日本政策金融公庫が創業融資先の飲食店に行った追跡調査データによると、創業から約5年で18.9%の飲食、宿泊業が廃業しています。これは、全産業で最も高い廃業率(全産業合計廃業率は10.2%)となっています。

 開業希望者からすると、立地選定や調理ノウハウなどを学べるプロデュースによる開業は、開業成功率を高める上でも大きな安心材料になっているといえます。

 プロデュースというビジネスモデルを武器に創業からたった10年での上場を実現した同社ですが、単に業態やビジネスモデルが優れているだけでは500店舗もの店舗展開を成功させることはできません。

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