インタビュー
» 2020年12月08日 07時00分 公開

感染対策:なぜ? 会議室に「鏡」 アイデア勝負で3密回避、面白法人カヤックのオフィス (1/3)

コロナ禍で、ほぼ全ての社員がリモートワークを余儀なくされた面白法人カヤック。しかし、ちょっとした雑談やブレストを大事にしている同社のワークスタイルとは相いれなかった。そこで、密にならないオフィスを作ろうと奮闘している。

[吉村哲樹,ITmedia]

 都心から離れた神奈川県鎌倉市にオフィスを構え、ゲーム、広告、Webサービスなどの分野で斬新なコンテンツを世に送り出し続けているカヤック。同社は「面白法人カヤック」を標ぼうし、常識にとらわれない発想で、面白さを追求してきた。その姿勢は、昨今のコロナ禍での感染予防対策や「3密回避」にも表れている。

photo カヤックは5月末、3密回避を考えたオフィス「NO密(ノーミツ)オフィス」に改装した=カヤック提供

 「カヤックは設立当初より『何をするかより、誰とするか』というビジョンを掲げ、大切な仲間たちとわいわいやりながら一緒に仕事を進める文化を何よりも大切にしています。しかしリモートワークではそうした仕事の進め方が難しいため、コロナ禍においても安全を確保できる範囲内での出社を奨励しています」

 こう語るのは、カヤックの梶陽子氏。緊急事態宣言が発出された4月の時点では、同社も他社と同じく一部の職種を除き、ほぼ全ての社員がリモートワークを余儀なくされた。しかし、社員同士のちょっとした雑談やブレストの中からアイデアを生み出していくという同社独自のワークスタイルは、残念ながらリモートワークとは決して相性がいいとはいえなかった。カヤック ギブ&ギ部(総務部に相当)の齊藤大輔氏は、次のように振り返る。

 「確かにオンライン会議でもコミュニケーションは取れますが、相手と現場の空気感を共有しながら会話するような感覚はなかなかつかめないので、やはり直接会って話すときと同じようにはいきませんでした。オンライン会議はどうしてもタイムラグがあるので会話が弾みにくく、自由な雑談の中からどんどんアイデアを出し合っていくというカヤック流のブレスト文化とは少し相性が悪いように感じました」

photo カヤック ギブ&ギ部の齊藤大輔氏

 こうした制約を克服するために、雑談専用のチャットルームを設けたり、オンライン会議のファシリテーションのルールを定めたりと、部署ごとにさまざまな工夫を凝らすようになった。また、オンライン会議の画面に映し出される背景や自身のアバターを独自にデザイン・開発するなど、コロナ禍の状況においても必要以上に深刻にならず、「オンラインでの働き方を楽しもう」という姿勢で仕事に臨む社員が多かったという。

 とはいえ、「誰と働くか」を何より大切に考える同社のビジョンやカルチャーに立ち返れば、やはり社員が出社してオフィスで互いに直接顔を合わせる働き方が理想的だ。そこで総務部門や管理部門が中心となり、社員の安全を確保しつつ出社を可能にするための方策を検討することとなった。

「これ、面白くないですか?」 会議室に設置した「鏡」

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