日本を変える「テレワーク」
インタビュー
» 2020年10月07日 07時00分 公開

在宅勤務の一歩先:うるさくないの? オープンな会議室を作ったら、意外な効果 日本オラクルの革新的なオフィス (1/3)

新規事業に取り組むために、社外から若手を中途採用した日本オラクル。こうした人材を集めるためには「きれいなオフィス」が必要と考え、2019年に「Oracle Digital Hub Tokyo」を開設した。どんなオフィスかというと……?

[房野麻子,ITmedia]

 もっぱら大企業を相手にビジネスを展開し、クラウド事業で他社に後れを取っていた日本オラクル。日本全国の中堅・中小企業のクラウド移行をサポートしようと、2017年に営業部門「Oracle Digital」を新設し、19年には営業拠点「Oracle Digital Hub Tokyo」を開設した。

photo Oracle Digitalが拠点としているオフィス「Oracle Digital Hub Tokyo」。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、現在はオフィス自体はクローズしているが、オフィスワークとリモートワークの“いいとこ取り”ができそうな工夫が仕掛けられている

 新規事業に取り組むために、人材は社外から中途採用した。ほとんどが20代の若者だという。最初は社内で組織しようとしたが、既存の人間がやれば既存のビジネスと同じ。古いオラクルの考え方のままではクラウドは売れないと上司から指摘された結果、「簡単に言えば若い人。頭が柔らかく、新しいことが好きで、できる人」を社外から採用した。

photo 日本オラクル執行役員の本多充氏=9月16日〜18日開催の「働き方 改革 EXPO」(千葉・幕張メッセ)にて

 「クラウドの世界はマーケットの動きが非常に速い。ましてオラクルにノウハウはなく、自分たちで1つ1つ作らなくてはならない。行動力や柔軟性が高く、“オラクルっぽく”なく、前向きな若い人、国籍も性別も関係なく採用した」(Oracle Digitalの責任者を務める本多充執行役員)

 その結果、Oracle Digitalは他の組織に比べて多様性が高くなり、子どもを持つ女性が多いという。

 こうした人材を集めるためには「きれいなオフィス」が必要と考え、Oracle Digital Hub Tokyoではデザインを重視。数寄屋造りをイメージした日本風の雰囲気にした。Oracle Digitalのためのオフィスは世界中にあり、デザインは各国独自のものを採用しているが、部屋のレイアウトや大きさ、収容人数、会議室の配置は決められているという。

photo 数寄屋造りをイメージした日本風のデザイン、インテリアを採用したOracle Digital Hub Tokyo

 本多氏は当初、日本全国の顧客に対応するOracle Digitalのオフィスが東京だけということに反発した。「営業は『会ってなんぼ』という考え方がある。『リモートで話なんか聞けない』という人も多い」と考えていたからだ。しかし、今では「結果的には(東京だけで)正しかった」という。

 「新しいことに取り組んでいくときは情報共有が大切。いろんな仕組みを使っていても、支社と本社間の情報の連携は遅れるので、東京一極で良かったと思っている」

モニターを「絶対に使うべき」と言われた

 顧客とスムーズにコミュニケーションをするために、Oracle Digital Hub Tokyoでは各担当にモニターが2台ずつ与えられている。

 「私自身は最初、もったいないからモニターはいらないと断ったが『絶対に使うべき』と言われた。オフィスに若い社員が入った途端に、全員が2台のモニターをフル活用し始めた」(本多氏)

 ビデオ会議を行うにしても、電話だけで話すにしても、顧客とは相手の情報を手元で確認しながら話すのが普通だ。それに加え、プレゼンテーション資料やWebサイトなども表示する。それらを一覧で表示しながら会話するのと、いちいちウィンドウを切り替えて話すとでは「全然コミュニケーションの質が異なる」というわけだ。

 「私はマネジメントで海外の担当者と話すことが多いが、そのときもさまざまな情報を表示しながら話す。あれだけモニターは不要といっていた私も、モニターがないと仕事にならなくなった」(本多氏)。本多氏はコロナ禍で在宅勤務へ移行した際にも、大画面のモニターを購入したそうだ。

 オフィスには、リモートで会話するための1〜2人用の部屋がいくつか用意されており、集中して仕事をしたいときにも利用できる。Oracle Digitalではビデオ会議システムにZoomを使っており、全国の顧客と出張しなくてもスムーズにコミュニケーションできる仕組みが整っているという。

 「お客さまは、新しい、必要な情報をタイムリーに伝えてくれるのであれば、リモートでいいといってくださっている」(本多氏)

 例えば、リモート講義を行うために、急きょ「Oracle Cloud Infrastructure」を導入した北海道の小樽商科大学は、「相談や契約をオンラインで行えることもOracle Cloud Infrastructureを選ぶ決め手になった」としている。

photo リモートでの打ち合わせや集中して仕事をしたいときのために、小人数で使うデスクを用意している

オープンな会議室、うるさくないの?

 一方、対面でのコミュニケーションで使う会議室は、基本的にオープンスペースだ。機密的な話をするためにマネジメント担当が全員入れる個室もあるが、情報共有にはオープンスペースが適していると本多氏は断言する。

photo Oracle Digital Hub Tokyoの会議室は基本的にオープンスペースになっている

 当初は「オープンな会議室はうるさいと思った」と否定的だった。「オープンな会議室で、売れた、売れないの話をするフォーキャストミーティングはできないと反対したら、却下された」という。ところが実際にオープンな会議室を使ってみると、これも「正解だった」。

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