売れたのは「マスク」だけではない 想像していなかったヒット商品は?新生活に対応(2/4 ページ)

» 2020年12月02日 08時00分 公開
[大澤裕司ITmedia]

 そのため「住まいの魔法のパウダー マスクのつけ置き除菌洗浄剤」は、主成分に、使い終わると炭酸ソーダ、水、酸素に分解される、環境にやさしい過炭酸ナトリウムを採用。過炭酸ナトリウムは酸素系漂白剤の主成分で、汚れを落としイヤな臭いを分解するだけでなく、除菌・漂白も行ってくれる。合成界面活性剤を使っていないので、肌への刺激が抑えられるほか、無香料なので香りを吸い込み続ける心配がない。

 「住まいの魔法のパウダー マスクのつけ置き除菌洗浄剤」は、発売から1カ月半で当初目標の4倍に当たる数量を出荷するほど好調に売れている。洗える素材のマスクが一般化し、マスクを洗って繰り返し使うことが新しい生活様式として浸透したことが、現在の好調につながっている。

コロナ禍、マスク関連の商品が売れている(写真提供:ゲッティイメージズ)

 マスク専用洗剤はこのほかにもいくつか発売されているが、面白いことに手がけているのはどこも中小企業ばかり。大手はコープ(日本生活協同組合連合会)がこの12月に発売するぐらいだ。ニッチすぎて、大手は参入のメリットがないのだろう。

 この現象に、中小企業が求めるべき活路が見える。それは大手が参入するにはニッチだが、確実に需要が見込める分野で勝負すること。「住まいの魔法のパウダー マスクのつけ置き除菌洗浄剤」の例は、中小企業は新規参入するフィールドを誤ってはいけないことを示唆している。

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