まるでYouTuber? 就活生のために「@cosme」運営元が“放送局”を立ち上げた理由新卒採用(2/3 ページ)

» 2020年12月03日 07時00分 公開
[人事実務]

 その観点から、番組を視聴した就活生には個人情報を登録してもらっているほか、番組終了後にはアンケートを送付し、回答してもらっている。そこで「アイスタイルに興味がある」という反応があった場合は、ブログやTwitter、InstagramなどのSNSを通じてより有用な情報を提供する。ときには個別面談に誘ったりすることもある。

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 上記のアンケート結果から就活生の要望を抽出して番組づくりに反映しているのも、就活生の関心をしっかり捕まえるための工夫だ。「視聴者の要望に応えて番組を変化させていくのは、YouTuberさんたちの制作手法に似ているかもしれませんね」と原尾氏は述べる。

 さらに、番組放送中にリアルタイムで質問を受け付け、その場で回答するのもオンラインならではの仕掛けだ。一度のイベントで寄せられる質問数は70〜80件に上る。質問はさまざまで、仕事についての質問がある一方で、「休みの日に皆さんで遊んだりすることがありますか」「どの辺に住んだらいいでしょうか」といった質問も多数ある。

 「従来の説明会なら、『こんなこと聞いていいのだろうか』といったことでも、オンラインでは気軽に聞けるようです。当社としては、いかに当社を好きになってくれる学生を育てていくかという視点を大切にしているので、投げかけられた質問にはこだわりなく答えていく方針を取っています。番組を通じてコミュニケーションを取り、当社を知ってもらうための情報を提供していくというサイクルを回していけば、一人一人の就活生がアイスタイルの情報に触れる時間が増えることになるので、これまで以上に当社のことを知っている学生が増えるのではないかと期待しています」

情報量を増やしてミスマッチを防止する

 その他、アイスタイル放送局からは、既存の会社説明会の枠にとどまらない、多様な派生番組が生まれている。例えば「海外」「EC」など個別の事業をテーマとした説明会がすでに放送されている。

 9月初旬には、アイスタイル吉松徹郎社長をゲストに招いての対談番組も放送した。「社員と社長との距離の近さは当社の特徴の一つ」といい、視聴する就活生に対してそうした社風をずばり伝える内容となった。番組終了後は、「社長との距離がこれほど近いと思いませんでした」「挑戦的なことをやっているんですね」という驚きの声が聞こえてきたそうだ。

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