市場規模は9200億円 ジーユーが少子化なのにベビー服に参入するワケニーズの差に着目(1/3 ページ)

» 2020年12月08日 08時00分 公開
[上間貴大ITmedia]

 ファーストリテイリングの子会社で、カジュアル衣料品店を運営するジーユーがベビー服への参入を発表した。2021年2月22日に、キッズ商品を取り扱う全国の大型店舗や、オンラインストアなどで販売を始める予定だ。少子化が続く中、なぜジーユーはベビー服に参入するのだろうか。

ジーユーがベビー服を販売(出所:プレスリリース)

 矢野経済研究所の調べによると、18年のベビー・子ども服小売りの市場規模は9200億円。13年にはプラスとなったが、それ以降は微減と微増を繰り返し、ほぼ横ばいで推移している。

 少子化が続いているはずなのに「大幅な減少」は見られない。その点について矢野経済研究所は「子どもひとりひとりにかけるお金が増えているほか、ベビー・子ども服関連専門店チェーンやカジュアル衣料品店でのベビー・子ども服販売が好調であったため」と分析する。

ベビー・こども服の国内小売市場規模推移・予測(出典:矢野経済研究所)

 また、共働きの増加やSNSの普及もその要因の一つだと考えられる。保育施設に預けるために複数の着替えを用意したり、SNSでベビー服の着こなしを掲載したりする人が増えているためだ。

 矢野経済研究所によると、近年の傾向として、親の好みを反映させやすい2〜5歳の幼児を対象とした「トドラー向け」を中心に、大人と同じテイスト、トレンドのベビー・子ども服が好まれる傾向にあるという。

 ジーユーはその傾向に着目。少子化は続いているが、ニーズに応えられていないベビー服需要があると判断した訳だ。ジーユー広報担当者によると、同社には以前からベビー服の販売を要望する声が寄せられていたという。そこで、父親や母親を対象にアンケートを実施したり座談会を開いたりして意見を集約。市場で売られている商品と、消費者との間で生じている「ニーズの差」を分析した。

ベビー服にもトレンドが?(画像はイメージ)
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