22年卒の就職先人気企業ランキング コロナ禍の影響顕著に文系女子は人気アニメの影響も?(1/2 ページ)

» 2020年12月10日 10時20分 公開
[ITmedia]

 就職情報会社のダイヤモンド・ヒューマンリソース(東京都文京区)が12月8日、2022年3月卒業・修了予定の大学生・大学院生の就職先人気企業ランキングを公表した。

学生の就職先人気企業は?

文系男子は総合商社2極化、メガ損保が躍進

 文系男子では、業績好調で時価総額でも総合商社1位となった伊藤忠商事が553ポイントで1位となった。また、三菱商事(3位:487ポイント)、双日(6位:378ポイント)、三井物産(9位:314ポイント)と、総合商社4社がトップ10にランクインした。

 新型コロナウイルスの影響で、資源・エネルギー価格の下落や投資先の業績悪化に見舞われるなど厳しい事業環境が続いている。しかし、幅広い事業領域で活躍する商社パーソンへの憧れは引き続き強く、総合商社人気は継続している。

文系男子ランキングベスト20(ダイヤモンド・ヒューマンリソース調べ)

 またトップ5には、東京海上日動火災保険(2位:516ポイント)、損害保険ジャパン(4位:463ポイント)、三井住友海上火災保険(5位:396ポイント)と大手損保会社5社がそろい踏みとなった。損害保険業界はコロナ禍においても通期の業績見通しは底堅く、躍進が目立った。

 前年同時期のランキングで上位だった住友商事、豊田通商、丸紅がトップ10から陥落する一方で、総合商社の併願先として学生が意識するコンサルティング業界や不動産デベロッパーは、NTT都市開発(11位:306ポイント)、野村総合研究所(12位:271ポイント)、PwCコンサルティング/PwCアドバイザリー(13位:268ポイント)、アクセンチュア(14位:259ポイント)、三菱地所(15位:247ポイント)などと、内需に軸足を置きコロナ禍のダメージが少ないこともあってか大幅に順位を上げた。

 一方、コロナ禍による経済活動自粛の影響が業績を直撃した運輸・旅行業界は大きく順位を下げた。

理系男子はIT・メーカーの人気復権 NTTデータが初の首位に

 理系男子では、78年の本調査開始以来初めて、NTTデータが244ポイントを獲得し1位となった。その他、野村総合研究所(8位:131ポイント)、Sky(10位:124ポイント)と、IT・情報系の大手企業がトップ10に3社ランクインした。

 NTTデータは31期連続で増収、野村総合研究所も売上高、営業利益が過去最高を達成。コロナ禍の影響で、DX(デジタルトランスフォーメーション)に対する企業の関心の高まりを受け業績は好調。また、インターンシッププログラムを提供していることも、学生の人気を集めた要因ではないかとダイヤモンド・ヒューマンリソースは分析する。

理系男子ランキングベスト20(ダイヤモンド・ヒューマンリソース調べ)

 また、文系男子では大きく後退した鉄道業界は、JR東海が2位(214ポイント)、JR東日本が3位(175ポイント)と、理系男子では堅調に人気を維持した。

 業績が好調なソニーは4位(165ポイント)、トヨタ自動車が7位(135ポイント)と、大手電機・自動車メーカーもトップ10に2社ランクインした。一方、15年の調査(16年卒対象)以降、理系男子の首位を獲得してきた総合商社は、三菱商事(5位:152ポイント)、伊藤忠商事(6位:143ポイント)の2社がトップ10入りするに留まった。

 文系男子同様、コロナ禍の影響で内需系企業に人気が集まり、不動産デベロッパー、道路、ゼネコンが順位を上げた。また、研究開発に期待が集まる製薬メーカーが堅調であった。

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