2020年を表す漢字は「密」。日本漢字能力検定協会が12月14日、1年の世相を表す「今年の漢字」を発表した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、密にならない生活や行動が呼び掛けられて浸透したことに加え、人との関係が密接になったことなどを理由に、「密」に多くの応募が集まった。
今年の応募総数は20万8025票。1位の「密」は、全体の13.6%を占める2万8401票を集めた。2〜10位は「禍」「病」「新」「変」「家」「滅」「菌」「鬼」「疫」だった。
今年は春に新型コロナの感染拡大が深刻化し、そのまま収まることなく年末を迎えることになったことから、感染対策や新しい生活様式をイメージさせる漢字が多くランクイン。また、ウイルス対策と共に、大ヒットとなった『鬼滅の刃』を意識した漢字も票を集めた。
1位の「密」については、多くの人と集まったり不特定多数の人と接触したりという、感染のリスクを高める“3密”を避けることを多くの人が意識した。また、在宅勤務でのリモート会議やオンライン飲み会などを通じて、物理的距離を保たなければならないからこそ、より“密接”な人との関わりを感じた人も多かったようだ。
応募者が「密」を選んだ理由は「3密という言葉が日常的になったように、国民の誰もが密を意識するようになったことからも、まさに今年を象徴する一字」「人々の会話に最も頻繁に登場した。『3密』は今年の新語・流行語大賞にも選ばれた」「行動範囲が規制されたが、その分、オンライン飲み会等で、普段会えない遠方の友人や親戚と『密』に関わりを持つことができた」などの意見が寄せられたという。
2位の「禍」は「コロナ禍」という言葉によって広まった。災害などの禍(わざわ)いもあった一方、「禍いを転じて福と為す」ということわざのように、来年は良い年になってほしいと願う人も多かった。3位の「病」には、疫病の流行や心の病の増加、病院関係者への感謝などの意味を持たせた意見が寄せられた。
「今年の漢字」の選定は26回目。19年は「令」、18年は「災」、17年は「北」が選ばれている。
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