コロナ禍でも絶好調の「焼肉きんぐ」 強さを支える「カルビ」と「包み込み戦略」とは飲食店を科学する(2/5 ページ)

» 2020年12月25日 05時00分 公開
[三ツ井創太郎ITmedia]

実際に焼肉きんぐを訪問

 今回は強さの秘密を探るべく、実際に筆者が神奈川県内のロードサイドにある焼肉きんぐの店舗を訪問しました。

 雨が降っていたため、すんなり入店できると思っていました。しかし、お店に到着すると既に5組ものウェイティングのお客さまがいらっしゃいました。

神奈川県のロードサイドにある店舗

 30分ほど待ってようやく入店できました。焼肉きんぐの食べ放題メニューは大きく3つに分かれます。

<焼肉きんぐの食べ放題プラン>

A:プレミアムコース3980円(税別、以下同)……約114品(エリアによって異なる)

B:きんぐコース2980円……約107品(同)

C:58品コース 2680円……58品

焼肉きんぐの商品(出所:焼肉きんぐ公式Webサイト)

 Aの「プレミアムコース」とBの「きんぐコース」の大きな違いは、「国産牛」と「特選」の有無。Cの「58品コース」のメニュー数は他メニューと比べて半分程度になっています。その分、2680円というリーズナブルな価格です。

 ここで焼肉きんぐのメニュー構成を分析していきましょう。

焼肉きんぐのコース別メニュー数比較(※コース内容はエリア等によって異なる) 出所:公式資料を基に筆者作成

 高単価のプレミアムコースには、国産牛や特選といったメニューがあり、「A:少しぜいたくなお肉を食べたい層」に対応しています。

 中単価コースであるきんぐコースは、国産牛や特選が無い点を除けば、プレミアムコースとほぼ同じ内容です。さらにメニューカテゴリー別の構成比を分析してみましょう。焼肉きんぐが支持される理由の一つに、「カルビメニューの多さ」が挙げられます。カルビはどの焼肉店においても出数上位の人気カテゴリーです。

 少々話は逸れますが、カルビと値段の関係について解説します。一般消費者が焼肉店を訪問した際、最初に確認するのは「カルビの値段」。カルビの値段でそのお店の予算感を察するのです。

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