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トヨタ、2人乗り「超小型EV」を発売 法人の近距離移動ニーズに対応本格販売は2022年

» 2020年12月25日 16時02分 公開
[ITmedia]

 トヨタ自動車は12月25日、超小型電気自動車(EV)「C+pod(シーポッド)」の法人向け限定販売を開始したと発表した。小回りがきくEVの新型モデルを投入し、幅広い地域や用途での活用を提案。小型EVを活用したサービスの検討も進め、EV普及の足掛かりとする。個人向けを含めた本格販売は2022年に開始する計画だ。

トヨタが法人向けに販売開始した超小型EV「C+pod」

 新型車の「C+pod」は2人乗りタイプのEV。まずは、EV普及に向けて検討を進めてきた法人や自治体などを対象に販売する。定期的な訪問巡回が必要な業務など、近距離移動のニーズに対応する車両として開発した。

 「C+pod」は全長約2.5メートルの小さな車体で、最小回転半径は3.9メートル。曲がり角や狭い車庫入れの際にも扱いやすいサイズとなっている。また、リチウムイオンバッテリーをシート足元の床下に搭載することで、段差の少ない低床フラットフロアに仕上げた。

トヨタの超小型EV「C+pod」

 車体への充電は「普通充電」に標準対応。家庭などでも、付属の充電ケーブルをコンセントに接続するだけで充電できる。航続距離は150キロ。

 また、緊急時に活用できる外部給電機能も装備。最大1500ワットの給電機能を標準装備している。助手席足元のアクセサリーコンセントや、オプションのヴィークルパワーコネクターを使用すると、一般家庭が消費する約10時間程度の電力が供給可能となる。

トヨタの超小型EV「C+pod」。アクセサリーコンセント
トヨタの超小型EV「C+pod」。ヴィークルパワーコネクターを使用して給電もできる

 安全装備は、軽自動車向けの基準をもとに新たに設定された、超小型モビリティ用の安全基準に対応。衝突した際のエネルギーを多くの部材へ効率よく分散吸収させる構造を採用している。歩行者への衝撃を緩和する歩行者傷害軽減ボディーも採用した。また、車両や歩行者、自転車との衝突の危険を検知してブレーキ操作を支援するプリクラッシュセーフティなども備えている。

トヨタの超小型EV「C+pod」の室内

 今後、EVの普及を加速させるため、異業種連携などにより新たなビジネスモデルの構築にも取り組んでいく。まずは日本で「C+pod」などの小型EVを活用して取り組みを始める。現在、200以上の法人や自治体と共に、EVを活用した新サービスの検討を進めているという。

 メーカー希望小売価格は165万円〜171万6000円(税込)。

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