ではこのビジネスモデルの違いが決算書にどのように反映されるのでしょうか。しまむらは自社で商品を仕入れ、その商品を販売するいわゆる仕入販売のビジネスです。従って、販売した金額の全額が売上高に計上され、売上原価には販売した商品に対応する商品の原価が計上されます。
一方、ZOZOは受託販売のビジネスをメインに展開しています。
受託販売ビジネスでは、メーカーなどから商品をいったん預かり、ZOZOが代わりに消費者に販売するのですが、消費者に販売してもその販売金額の全額はZOZOの売り上げには計上しません。ZOZOの売上となるのは、委託したメーカーなどからの販売手数料です。従って、ZOZOの売り上げの大部分は手数料収入で構成されています。原価の中身は主にZOZOTOWNなどの運用費が中心となります。
このように、同じアパレル小売業といってもビジネスモデルが全く異なり、その違いは日常生活からでは気づきにくいものです。決算書を通して企業を比較することで、企業がどのようなビジネスを展開しているのか? またどのようにお金を稼いでいるのか? を知ることができます。
今回の事例を通じて、損益計算書はもちろん、決算書を読む面白さが伝わりますと幸いです。
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