2020年は世界中が新型コロナウイルスに苦しみ、泣いた1年だった。JR東日本と西武ホールディングス(HD)は12月23日、人々の生活変容と、そこから生まれた新たなニーズを背景に、双方の有形・無形資産を組み合わせた包括的な連携を行うと発表した。
コンセプトは「新たなライフスタイルの創造×地方創生」である。具体的には、新機軸のワーケーションや個人向けの移住トライアルプランなどを提案する。どういった、背景で連携が実現したのか。
20年10月頃、JR東日本の深澤祐二社長と西武HDの後藤高志社長が直接会い、その中で「両社ならば新たなライフスタイルの提案と、首都圏から地方につなげる取り組みができるのでは」という話に至ったという。両社は以前より良好な関係を築いており、貸切新幹線「プリンスエクスプレス」のツアー列車を東京−軽井沢間で運行するといった連携実績を持つ。
その後、両社で何ができるか検討を始め、わずか2カ月で後述する3つの軸を作り上げ、12月23日に記者会見を開催した。
JR東日本は国内最大の鉄道事業者といえる。多くの路線が首都圏における大動脈の役割を果たしている。フル規格の新幹線も東北・上越・北陸の3つを有するなど、ネットワークも広い。また、ショッピングセンター、ホテル、スキー場など多数のグループ会社を抱えている。
一方、西武HDは、国内外81の子会社を管理する純粋持株会社だ。西武鉄道や西武バスなどの都市交通、レジャーやホテルといったリゾート、不動産、建設、プロ野球の球団運営など、多岐にわたる事業を展開する(注、西武百貨店はセブン&アイ・ホールディングスの傘下)。
特に、西武鉄道とプリンスホテルは、西武HDの中核をなす存在だ。また、ホテルやレジャー施設のノウハウにも長けている。
こういったお互いの強みを融合し、3つを軸に包括的な取り組みを進めてゆく。
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