中国発の“闇流通”も横行、欧米は日本の投資額の100倍 新型コロナワクチンの開発を巡る課題を識者に聞く新型コロナ ワクチンは救世主となるか【後編】(1/2 ページ)

» 2021年01月09日 05時00分 公開
[中西享ITmedia]

 ワクチン開発についてのインタビューの前編では、米国企業で製造されたワクチンについての見通しを、ワクチン学が専門の東京大学医科学研究所の石井健教授に聞きました(新型コロナのワクチンは「ワープスピード作戦」によって成功 どの製薬会社もプロセスをしっかり踏んだ参照)。

phot 日本は欧米と比べて、なぜワクチン開発のスピードが遅かったのか(写真提供:ゲッティイメージズ)

 後編では、接種に向けてクリアしなければならない課題や、日本は欧米と比べて、なぜ開発のスピードが遅かったのかといった開発プロセスの問題点について、お届けします。

phot いしい・けん 1993年横浜市立大学医学部卒業、96年から2003年まで米連邦政府保健省食品薬品局(FDA)勤務、03年から06年まで科学技術振興機構・審良自然免疫プロジェクト・グループリーダー、06年から10年まで大阪大学微生物病研究所准教授、10年から19年まで医薬基盤研究所アジュバント開発プロジェクトリーダーと大阪大学免疫学フロンティア研究センター・ワクチン学特任教授を兼任、19年から東京大学医科学研究所ワクチン科学分野教授。福岡県出身。52歳

中国発の闇流通が横行

――日本全国で実際に接種を実施する前に、クリアしなければならない課題は何ですか。

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