1月20日の終電、実際には21日の午前0時すぎくらいの電車から、新型コロナウイルス対策に端を発した「終電繰り上げ」が始まった。
この「終電繰り上げ」は今年に入って「緊急事態宣言」が発出されてから決まったため、導入も慌ただしいものとなった。報道された「終電繰り上げ」の様子を見ると、多くの鉄道利用者には周知済みで、それゆえに大きな混乱はなかった状況である。
なぜ、混乱は起きなかったのだろうか。
JR東日本が、2020年の9月3日に発表した21年3月のダイヤ改正に関する文書には、新型コロナウイルス感染症の流行を契機として人々の働き方や行動様式が変化していることを示し、そのため深夜時間帯の利用が大きく減っていると示していた。
つまり、感染拡大の第3波以前から、多くの人は深夜の電車に乗らなくなっていたわけである。
その状況を的確に反映したのが、京王電鉄の20年10月30日ダイヤ改正だ。深夜時間帯の京王ライナー運休や、午後10時以降の列車の本数減など、利用者の実態に合わせて遅い時間の電車を減らした。
同様の状況は、さまざまな私鉄でも見られていただろう。しかし、他の私鉄は単独でダイヤ改正のできない状況にあり、一方で京王は都営新宿線としか直通運転をしていないため、この段階で対応できたと考えられる。
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