なんてことを言うと、「それじゃまるで日本人がキムチをパクってるみたいだろ、誇り高い日本人がそんなまねができるか」「キムチなんかとコラボしてまで世界進出なんてしなくていい」と否定的な意見がじゃんじゃん飛んできそうだ。
ただ、残念ながらわれわれはそんなメンツやプライドにこだわっているヒマはない。うかうかしていると、「納豆=韓国の食文化」なんてイメージが世界に定着する、という笑えない事態になってしまう恐れもあるからだ。
19年11月12日の「えっ、日本産でない? 「韓国の納豆」が世界市場を席巻する日」の中でも触れたが、実は、韓国の代表的な食品企業であり、米国のスーパーでも豆腐を販売しているプルムウォンが、06年から納豆の製造を始めている。つまり、もし何かのきっかけで世界で「納豆ブーム」が起きれば、納豆関連商品を世界に供給できるということでもあるのだ。
その時、きっと韓国ではこういうマーケティングを行う。「日本が納豆は自分たちの国の食文化だと主張しているが、その起源は韓国にある」。実は韓国には、納豆と同じく大豆の発酵食品の「チョングッチャン(清麹醤)」という料理があり、実際に一部の韓国人はこれが日本の納豆のルーツだと主張しているのだ。
これが筆者の妄想ではないことは、すし、刺身、空手、さらには忍者まで、日本文化のさまざまなものに「韓国起源」が主張されていることを見れば分かっていただけるだろう。
また、仮に韓国が「納豆」を自分たちの食文化だと主張しなくても、後ろにはもっと厄介な人たちが控えている。そう、中国だ。
ご存じの方も多いと思うが、実は今、中国は「キムチ」について、中国が起源だと言い始めている。
中国四川省には、「泡菜(パオツァイ)」というダイコンやニンジンなど野菜を塩漬けにした漬物があるが、これを中国ではキムチの起源だとして、国際標準化機構の承認を受け、キムチの国際的な食品規格が制定されたと発表した。しかもそれだけではなく、中国共産党が「キムチは、中国5000年の歴史の文化遺産だ」と大々的に宣伝しているのだ。
もちろん、韓国は「中国は文化泥棒だ」などと批判しているが、互いに一歩もひかずにバチバチの緊張状態が続いているのだ。
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