沖縄には不名誉な記録がある。それは「交通人身事故に占める飲酒運転の割合全国ワースト1」だ。19年は2.28%で全国平均の2.6倍となり、3年ぶりに全国ワーストに戻ってしまったことが報じられた。
また、飲酒絡みの事件事故の多さに、当時の沖縄県警本部長が19年に離任した際「沖縄は潜在力を秘めた県だが、その可能性が過度な飲酒によって阻害されていれば良くない。適正飲酒を実現してほしい」(19年12月27日付沖縄タイムス)との苦言を最後に添えざるを得なかったほど、飲酒運転や路上寝などが問題となっている。
エアクルを運営するアルパカラボの棚原生磨代表は、運転代行待ち時間の短縮を「県民の適正飲酒」の観点からも貢献できるはずだと説明する。「運転代行を呼んで、30分後や1時間後に到着する、となりますよね。すると、到着までの間についもう1杯飲んじゃうんですよ。気が変わらないうちに運転代行が来たら、その1杯を減らすことができます」。それだけではない。「到着までの1時間に飲んでしまった結果、また楽しくなってきてしまって、代行の注文がキャンセルになることもあります」
棚原代表は“スマートな飲み方”を薦めたいとする。「飲酒運転を止める手段作りを徹底したいです。今後は、例えば誰かのために運転代行を呼んだらその人も得をするような、人と人とがつながったソーシャルな仕組みを通して、飲酒運転をさせない動機付けを支援したいです」と話す。
また、長寿県のイメージで語られることも多い沖縄県だが、肝疾患での死亡率も全国1位だ。沖縄県は県民の健康増進事業「健康おきなわ21」の一環で「節酒カレンダー」アプリをリリースするなどさまざまな取り組みを進め、オリオンビール(沖縄県豊見城市)は「県民の健康に貢献する」との立場からアルコール度数9%のストロング系チューハイの生産を終了、官民共に適正飲酒啓発を進めている。
“飲み終わるという意思やタイミング”を逃さないためにも「運転代行を呼ぶとすぐに来る」ことが大きな意味を与えている。
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