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» 2020年12月23日 07時00分 公開

地価の伸び率は全国一 ”基地の島”沖縄ならではの不動産カルチャー (1/4)

沖縄県内の地価は、2020年7月1日時点で前年比4.7%上昇。伸び率は3年連続で全国一、7年連続で上昇を続けている。その中でも安定資産として人気が落ちない物件がある。それが……

[長濱良起,ITmedia]

 日本全体の約0.6%にすぎない県土に、全国の米軍専用施設面積の約7割が集中する沖縄県。沖縄本島だけでみるとその約15%が米軍基地の、まさしく“基地の島”だ。この軍用地そのものや、米軍人・軍属の人々が基地内外で暮らす住居の存在は、他府県には見られない沖縄特有の不動産カルチャーを生み出した。

米空軍嘉手納飛行場

 沖縄県内の地価は、2020年7月1日時点で前年比4.7%上昇。伸び率は3年連続で全国一、7年連続で上昇を続けている。宮古島市平良西里根間の商業地は38.9%で全国1位の上昇を見せる。

 しかし、この現状を沖縄本島南部・糸満市の不動産業「とくとくハウス」の徳松安則社長は「沖縄の不動産については上げ止まりしていると言えます」と解説する。その要因にはやはり新型コロナウイルスの影響がある。「早めに(安価で)物件を売却したい人が多いことに加えて、銀行は投資用案件の融資が難しくなったため、不動産を購入したくてもローンが組めず購入できない、という現実があります」

 しかし、その中でも安定資産として人気が落ちない物件がある。それが軍用地だ。通常の賃貸物件は実質利回り4〜5%の一方、軍用地は3%前後で、投資先としてはおいしくはないはずだ。しかし「なぜ皆さんが軍用地を欲しがるのかと言えば、食いっぱぐれがないからです」と徳松氏。米軍基地の借主は日本政府で、どこかに逃げてしまうことはない。地主からすると必ず安定的に収益が入るメリットがある。「年間借地料の1年分が一気に入ってきます。住宅のように居住者からのクレームもなければ、メンテナンスの経費もかかりません」

軍用地での資産運用について話す とくとくハウスの徳松安則社長

 このような安定性から、担保としての信用度が格段に高く、好条件で借入ができる。資産をまず軍用地に換えて、それを担保に得た資金で事業を大きく展開するというプロセスも選択肢に入れることができる。

 実際に沖縄県内地銀の琉球銀行は軍用地主を対象に「保証人不要の大型フリーローン」を提供しており、当座貸越型では最高5億円の融資をうたう。沖縄銀行、沖縄海邦銀行、コザ信用金庫といった金融機関も同様に、軍用地主向けのローンを提供している。

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