ここで、小僧寿しに対する次の関心としては、持続的にこの黒字基調を維持できるかどうだ。確かにコロナ禍がデリバリー需要を押し上げたのであるとすれば、コロナ禍が落ち着いたあとは元の鞘(さや)に戻ってしまうのではないかという懸念はある。
そこで20年におけるデリバリー事業の月次前年比データを確認してみよう。
小僧寿しが保有するデリズのデータのみが開示されている点に留意すべきだが、20年における上期と下期の既存店売上高成長率(前年同月比)に注目したい。コロナ警戒ムードであった上期の売上高が23.1%の成長であったのに対し、Go Toキャンペーンなどが実施されて警戒ムードが落ち着いた下期の売上高は4.8%成長と大きく落ち着きを見せたのである。
一方で、最初にコロナ禍の脅威が叫ばれた20年2月と21年2月を比較すると、小僧寿しのデリバリー事業は前年同月比で8.4%成長しており、持ち帰り寿司事業についても前年同期比で19.1%成長と高水準を維持している。
したがって、小僧寿しの今後を占うのは、3月以降に2回目の緊急事態宣言が解除されたときに、どれだけの反応があるかだ。なぜなら、去年の3月、特に4月は1回目の緊急事態宣言が発せられたこともあり、前年比ベースでの成長率が底上げされているとみられるからだ。したがって、3月以降の既存点売上高が前年同月比で減少に転じた場合、今回の黒字が一過性であることについて警戒しておいた方がいいのかもしれない。しかし、これが成長に転じたとすれば、小僧寿しは本格的にかつての威勢を取り戻してきたということもできそうだ。
今後の小僧寿しは、唐揚げ事業の併設といったリブランディングや、安定的な収益源であるデリバリー事業のフランチャイズ加盟店の出店推進を2つの柱としたグループの収益構造の改革に乗り出している。
小僧寿しのテレビCMが再び見られるようになる日もそう遠くないのかもしれない。
中央大学法学部卒業後、Finatextに入社し、グループ証券会社スマートプラスの設立やアプリケーションの企画開発を行った。現在はFinatextのサービスディレクターとして勤務し、法人向けのサービス企画を行う傍ら、オコスモの代表としてメディア記事の執筆・監修を手掛けている。
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