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» 2021年03月05日 17時28分 公開

40代で出版社からWebメディアにミドル転職 元週刊誌編集長がNewsPicksで追い求める新しいメディアの形NewsPicks Studios金泉俊輔CEOに聞く【後編】(1/3 ページ)

ビジネスパーソンを中心に500万人以上の会員を擁する経済ニュースメディア「NewsPicks」。他メディアのニュースを選別して配信する「キュレーション」のほか、独自で経済ニュースや経済番組を制作しインターネットで配信し、右肩上がりで有料会員を増やし続けてきた。独自のビジネスモデルやブランド戦略はいかにして成功したのか。NewsPicks執行役員で「NewsPicks Studios」CEOの金泉俊輔氏にインタビューした。

[河嶌太郎, 今野大一,ITmedia]

 ビジネスパーソンを中心に500万人以上の会員を擁する経済ニュースメディア「NewsPicks」。他メディアのニュースを選別して配信する「キュレーション」のほか、独自で経済ニュースや経済番組を制作しインターネットで配信している。制作したコンテンツはヤフーやグーグルをはじめとした外部ニュースサイトに配信しないなど独自のビジネスモデルを生み出している。

東証マザーズ上場のユーザベース社は六本木にオフィスを構えている

 こうした固有の展開により経済界を中心にファンを増やしていて、有料会員数も2020年12月末時点で17.9万人を擁している。独特のコミュニティーを形成しているのも特徴だ。実業家のホリエモンこと堀江貴文氏やDMM.comグループの亀山敬司会長、ジャーナリストの田原総一朗氏などの著名人も、「プロピッカー」と呼ばれるコメンテーターとして参画している。

 同サイトは13年にユーザベース社(16年に東証マザーズに上場)が立ち上げた。独自のビジネスモデルやブランド戦略はいかにして成功したのか。NewsPicksの執行役員を務め、現在は動画制作を手掛ける電通との合弁グループ会社「NewsPicks Studios」(東京都港区)のCEOに就任した金泉俊輔氏にインタビューした。メディアの最前線の経営戦略や組織論についてお届けする。

金泉俊輔(かないずみ・しゅんすけ)「NewsPicks Studios」CEO、大学在学中から雜誌ライターとして活動後、出版社に入社。取次・書店営業、女性情報誌・女性ファッション誌編集を経て、週刊誌編集へ。『週刊SPA!』編集長、ウェブ版『日刊SPA!』創刊編集長などを務める。2018年3月、株式会社ニューズピックスに移籍し、NewsPicks編集長。19年5月よりプレミアム事業担当執行役員に就任。21年1月より「NewsPicks Studios」代表取締役CEO。1972年生まれ

週刊誌でDXに着手

――金泉さんは18年にNewsPicksに入る前は、01年から『週刊SPA!』(扶桑社)の編集者として活躍していました。11年にWebメディア「日刊SPA!」を社内で立ち上げ、創刊プロデュースをしています。出版社の中でいち早くDX(デジタルトランスフォーメーション)に着手していたわけですが、きっかけは何だったのでしょうか。

 『週刊SPA!』ではデジタル・IT担当の編集者として、01年からヤフー、楽天といったIT企業の取材をしていました。現在NewsPicksの堀江貴文さんの番組「HORIE ONE」では僕がMCを務めていますが、堀江さんとはライブドアがオン・ザ・エッヂだった頃から取材し、連載や書籍なども担当していました。

 IT企業の方々と交流する中で、これからはネットの時代だという意識はありました。それで11年に「日刊SPA!」を立ち上げる前から、社外のIT企業と一緒にWeb展開をできないかと考えていました。05年にはライブドアポータルサイトとコラボ企画をやったり、ミクシィとiモード用ゲームを作ったり、ニコニコ動画「SPA!生ちゃんねる」で生放送を試みもその1つです。紙の媒体にはいたものの、雑誌にとどまらないメディアのデジタル化を模索し続けていました。

――13年には『週刊SPA!』と「日刊SPA!」の編集長を兼任。そして45歳だった18年にNewsPicksの編集長として、出版からウェブメディアに転職しました。そのまま扶桑社で安定した会社員として出世する道もあったと思うのですが、転職の決め手は何だったのでしょうか。

 扶桑社では編集長という、部長職の立場にいたわけですが、NewsPicksで挑戦することが面白そうと思ったのが大きいですね。実は、扶桑社にいた時から「プロピッカー」という形でNewsPicksと関わっていたこともあります。

 また、NewsPicksの初代編集長で、「NewsPicks Studios」前CEOの佐々木紀彦さんをはじめ、佐藤留美副編集長、「週刊ダイヤモンド」から来た池田光史編集長、後藤直義SF支局長、森川潤NY支局長など、現在のNewsPicksのコアメンバーとは僕が駆け出しの編集者だった頃から付き合いがあり、メディアをこれから一緒に変えていける仲間だと思っていました。所属していた媒体は皆それぞれ別ですが、それが今ではNewsPicksに結集し、新しい挑戦を続けられていると感じています。

――「レガシーメディア」とも呼ばれる、旧来の出版メディアからNewsPicksという新しいウェブメディアに移られて、社風や企業文化など全く違うかと思います。

 もう全然違いますね。当社の文化はとても健全だと思います。まず社内のコミュニケーションが、上下関係があまりなくオープンで、フラットなところが違います。この点、レガシーメディアではいわゆる「忖度コスト」が発生し、「できない理由」から探すことが多いように感じます。

金泉さんが司会を務める「HORIE ONE(ホリエワン)」
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