米国で「キャンセルカルチャー」がまた大変な話題になっている。
3月2日、米人気絵本作家であるドクター・スースが過去に発表した6つの作品が、人種差別的であるとの批判を受け、絶版となることが発表された。これら作品の出版社であるドクター・スース・エンタープライズが、高まる批判に対応した形だが、米国の保守系メディアでは大変な反発が起きている。
米保守系ニュース局のFOXニュースは同日、ずっとエンタープライズ社による絶版の決定について取り上げていた。FOXニュースの言い分は、人種差別だと騒ぎを起こして「リベラルが暴走している」というもので、左派系勢力がキャンセルカルチャーをあおり、言論や表現を押さえつけているなどと批判した。
キャンセルカルチャーとは、人権問題や思想などを狙って否定し、SNSなどを駆使してその「問題」をあおり、ボイコット運動なども起こしていくことを指す。
この問題は少し前から話題になっていて、企業もいろいろな形でその影響を受けている。エンタープライズ社もおそらく対応に苦慮し、いくつかの本を絶版にすることで幕引きを狙ったと考えられる。だが本当に、絶版にすべきだったのか疑問が残る。
こうした過激な言動に対して、企業側は逃げずに、正面から対応すべきではないだろうか。さもないと、重要な文化やサービス、企業価値まで貶(おとし)めることになりかねないからだ。
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