仮想通貨を預かり利息を支払う仮想通貨レンディングを営むシグノス(東京都港区)は、利息分を日本円で銀行口座に払い込むサービスを3月16日から開始した。仮想通貨レンディングは、通常預けた仮想通貨かビットコインで利息を支払うサービスが普通。日本円を銀行口座に振り込むサービスは他に例がない。
仮想通貨レンディングは貸仮想通貨とも呼ばれる。顧客から預かった仮想通貨を、海外大手機関投資家など仮想通貨を借り受けたい事業者に貸し出して、利息を受取る仕組み。シグノスでは預かった仮想通貨に対して、年率3%以上の利息を付けている。ビットコイン価格が600万円のとき、1ビットコインを預けると毎月1万5000万円が口座に入金される計算になる。
仮想通貨レンディングの仕組み(シグノス)
現時点では、サービスを提供するのは預け入れ5000万円相当額以上の顧客。4月中には少額のレンディングでも対応する。
海外では投機対象としてではなく、資産として仮想通貨を捉える動きが出てきており、仮想通貨を担保とした借り入れや、預け入れによって利息を得るレンディングなどの金融サービスが発展しつつある。ただし、法で規制される取引所とは異なり、レンディングサービスについては自由に参入が可能になっている。
シグノスの仮想通貨別利息の例(シグノス)
- ビットコインで日本円が借りられる 仮想通貨金融が発展の兆し
米国では相次いで企業が購入するなど、新たな資産クラスとしての認知が広がってきたビットコイン。しかし、国内ではまだ投機の対象と見られることが多く、資産としての取り扱いはまだ少ない。そんななか、ビットコインを担保として日本円を貸し出すサービスがスタートしている。
- ビットコインのファンダメンタルズとは何か? ARKレポートから読み解く
この1年で540%もの価格上昇を見せたビットコイン。米国企業や機関投資家が買っているともいわれ、新たな資産として見られることも増えてきた。しかし、ビットコインについてまわるのが「本質的な価値がない」という言葉だ。では、ビットコインのファンダメンタルズとは何だろうか?
- ビットコイン価格を押し上げた機関投資家 日本の状況は?
2020年年末から年初にかけて、ビットコイン価格は200万円台から400万円超まで上昇し、過去最高値を付けた。これをけん引したといわれるのが、米国の上場企業や機関投資家による購入だ。では国内の上場企業や機関投資家の仮想通貨に対する動きはどうなのか。
- ビットコイン、6万ドルを超え過去最高値 時価総額は1.1兆ドルに
ビットコインは3月13日の週末、6万ドルの大台を超え過去最高値を更新した。2月中旬に5万ドルを超えてから、約1カ月でさらに1万ドル上昇した。日本円では一時672万円を付け、同じく過去最高値となった。
- ビットコインはデジタル・ゴールドなのか? マネックス大槻氏に聞く
暗号資産(仮想通貨)の代表例であるビットコインは、しばしば「金」(ゴールド)と 比較される。金が埋蔵量に上限があるように、ビットコインはアルゴリズム的に採掘上限が定められている。さらに、価値を保証する発行体がないというのも、ビットコインと金の共通点だ。しかし、果たしてビットコインはデジタル版の「金」になり得るのか。マネックス証券のチーフアナリスト、大槻奈那氏に聞いた。
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