「コロナ不眠症」が増え、注目されている業界は?生産性低下を招く(3/4 ページ)

» 2021年03月28日 08時00分 公開
[藤井薫ITmedia]

マットレス業界に注目

 そして、コロナ禍で特に注目されているのが、マットレス業界だ。新型コロナの流行で、自宅で過ごす時間が増えたこともあり、ベッドルームを快適にしようと寝具を買い替える人が増えているからだ。また米国などでも、多くの企業がリモートワークを導入したことをきっかけに、都心部から郊外へ引っ越す人が増え、マットレスの需要も増えているという。

 新型コロナの流行が、寝具の買い替えを後押しする状態になっているわけだが、この恩恵を大きく受けているのが、デジタル世代に多大な支持を得ている、DTC(Direct To Consumer)のブランドだ。

マットレス業界に注目が集まる

 オンラインでブランドの立ち上げから情報発信も行い、さらに消費者へ直接販売を行なっているDTCのブランドは、メーカー直販の強みを生かし高品質な商品を低価格で販売できるため、近年急成長を遂げてきているビジネスモデルだ。

 新型コロナによる外出制限により、実店舗の営業が規制されたため、多くの消費者はネット通販に頼らざるを得なくなり、購買行動が一変してしまった。もともと実店舗を持たず、オンライン中心で販売を行なってきたDTCのブランドは、いち早くその状況に順応することができたため、売り上げを伸ばすことに成功している。

 日本のマットレス業界で、このビジネスモデルを取り入れて成功しているのが、例えばオーストラリア発のブランド「コアラ」だ。マットレスの上に、ワイングラスを置いたままジャンプしてもこぼれない、という製品の機能性をソーシャルメディアで情報発信して、話題になっているブランドだ。

 コアラは、15年にオーストラリアで創業し、わずか2年で国内トップのマットレスブランドに成長した実力派だ。日本へは17年に上陸しており、DTCマットレスのブランドとしては先駆け的な存在になっている。ブランド名にもなっているコアラは、世界で最も長く眠る動物として知られており、オーストラリア出身の創業者によると「眠りのスペシャリスト」として「すべての人に深く快適な眠りを届けたい」という思いが込められているという。

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