睡眠不足は、心臓発作、肥満、うつ病や暴力的になるリスクを高めるなど、身体的やメンタル的な健康被害につながるため、その影響は思っている以上に大きいのだが、一般的にはまだまだ十分に伝わっていない。そのため、不眠症などの睡眠障害を深刻に捉えてもらえるように、米国ではデイライトセービング(夏時間)が始まる3月に合わせて、著名人を起用したキャンペーンなどを積極的に行なう。
また、全世界を対象とした活動も広がっている。その一つが、健康的な睡眠の重要性と睡眠に関する問題を啓発するため、世界中の睡眠研究者によって組織された「World Sleep Society(世界睡眠協会)」が毎年開催している「世界睡眠デー」だ。
毎年、春分の日の直近にあたる金曜日を「世界睡眠デー」として、世界各地でキャンペーンが行われている。第14回となる2021年の開催日は3月19日で、「Regular Sleep, Healthy Future(規則正しい睡眠、健康な未来)」が今回のスローガンになっている。
世界睡眠協会によると、毎日決まった時間に就寝し起床することは質の良い眠りを得られるという。そして、気分や精神運動機能が優れるだけでなく、学力の向上にもつながるという。
世界睡眠デーのイベントなどでは、世界睡眠協会が快眠のためのさまざまなアドバイスを行なっている。就寝前のアルコールの過剰摂取を避けたり、スパイシーなものや糖分の多い食事を控えたりするほか、定期的な運動を推奨。また、就寝前には騒音やライトをできるだけ消すことが重要だという。
こうした活動などによって、いかに睡眠が重要かという認識が広がるだけでなく、睡眠に関連した商品やサービスなどの市場も拡大している。その市場規模は、世界全体で2025年には約950億ドルに達するとも言われている。
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