「コロナ不眠症」が増え、注目されている業界は?生産性低下を招く(1/4 ページ)

» 2021年03月28日 08時00分 公開
[藤井薫ITmedia]

 いま世界中で、新型コロナウイルス感染症の「影響」によって引き起こされている、ある健康問題が懸念されている。それは、「コロナ不眠症」と呼ばれるものだ。

 コロナ禍によるライフスタイルの変化によって、睡眠障害を訴える人が後を立たないようで、その数が世界的に増えていると見られている。グーグル検索で「不眠症」という言葉が例年より約60%も多く検索されたのがそれを示している。

 不眠の原因は、ストレス、心や体の病気、薬の副作用などさまざまだ。寝つけない、眠りが浅いなどの睡眠問題が1カ月以上続き、日中に意欲や集中力が低下したり、倦怠感などの不調が出ることを不眠症という。

睡眠不足で悩まされている人は多い

 日本ではやっと医療従事者にワクチン接種が始まったところだが、まだコロナ禍は終わりそうにない。国民の中には引き続き眠れない日々を過ごすことになる人も少なくないだろう。そこで、コロナ不眠症への対策案を見ていきたい。

 不眠症は、健康な人でも、年齢や性別を問わずに起こりうるため、気をつけなければならない。実際のところ、不眠症といった睡眠の問題は、最大で世界人口の45%にあたる人々の健康や生活の質を脅かすほど、まん延しているといわれている。

 この問題は、決して他人事ではないのだ。さらに懸念されるのは、ビジネスパーソンへの影響だ。日本だけでなく世界でも「寝る時間もないほど忙しい」ことが美徳のように扱われ、不眠症をあまり深刻に考えていない。だがそこに落とし穴がある。

 睡眠障害を抱えていると職場での事故が増えたり、仕事のパフォーマンスや生産性も下がることが明らかになっている。ハーバード大学が行った調査によると、米国では睡眠障害よって従業員1人当たりの生産性が年間11.3日分も失われるといい、米国全体で見ると年間約630億ドルもの損失につながるという。

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