SBI証券、25歳以下の株式売買手数料を無料化

» 2021年04月20日 11時52分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 SBI証券は4月20日から、さらなる株式売買手数料の引き下げを行う。25歳以下のユーザーについて、国内現物株式売買手数料をキャッシュバックし実質無料とする。SBIはグループを挙げて手数料などをゼロとする「ネオ証券化」を方針としており、そこに向けてまた一歩前進した。

 

 SBIホールディングスは、2019年10月に傘下の証券会社の取引手数料を今後3年でゼロにする「ネオ証券化」を方針として打ち出した。その後、順次手数料を改定し、20年10月には取引手数料を1日あたり100万円まで無料とした。今回、金額の制約をなくし、現物取引かつ20歳〜25歳なら、手数料は常に無料となる形だ。

 未成年の場合、手数料のキャッシュバックには月間1万円の上限がある。ただしSBI証券の手数料は100万円までなら535円以下、100万〜150万円までで640円、150万〜3000万円までで1013円となっており、手数料が1万円に達するには相当の取引の場合に限られる。

 併せて、新規口座開設者や単元未満株の手数料無料など、期間を限定したキャンペーンを行う。手数料無料化に年齢制限を付けたことと合わせ、若年層の取り込みを狙うとみられる。

 注目されるのが、他証券会社の動きだ。多くの証券会社にとって、売買手数料は収益の最大の柱であり、値下げや無料化はダイレクトに売り上げに影響する。これまで一社が手数料を値下げすると、他社も追随して値下げするのが通例だったが、20年10月の無料化では、楽天証券以外は値下げ競争から離脱した。

 若年層の取り込みに成功し、急速に新規口座開設数を伸ばす楽天証券が、SBI証券の無料化の動きに対応するかがが注目される。

 金額に制限のない取引手数料の無料化は、大手ネット証券では初めてとなるが、スマホ証券では、スマートプラスが運営する「STREAM」が、年齢や金額の制限なく、日本株式の取引手数料無料を実施している。

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