SBI証券は9月23日、10月1日から株式売買手数料を、1日あたり100万円まで無料にすると発表した。これまでは50万円となっており、楽天証券、松井証券などと同額だった。100万円は、現物株式、制度信用取引、一般信用取引のそれぞれで計算するため、総額で300万円まで無料で売買できることになる。
1日の売買代金合計金額に対して手数料がかかるアクティブプランにて手数料を改定する
国内でも証券会社の手数料無料化の流れが進んでおり、SBIホールディングスは2019年10月に、傘下の証券会社の取引手数料を今後3年でゼロにすると打ち出していた。ネット証券各社は、いずれか1社が新料金体系を打ち出すと追随する傾向にある。
SBI証券は取引手数料以外の収益源が増加しており、多角化が進んでいる。一方でネット証券の中には、取引手数料に収益の多くを依存しているところもある。「チキンゲーム」ともいわれるなか、SBI証券の発表を受けて他社が追随するかが注目される。
100万円超の取引手数料については変更はない
→9月29日、楽天証券が追随を発表。現物と信用合わせて100万円まで手数料無料とする
- 楽天証券も1日100万円まで手数料無料 SBI証券に追随
楽天証券は9月29日、これまで1日50万円までだった株式売買手数料の無料枠を拡大し、100万円にすると発表した。12月からの取引が対象。SBI証券は10月1日から、1日あたり100万円の売買まで無料にすると発表しており、こちらに追随した形だ。
- なぜ今、証券業界で手数料無料化が進むのか?
証券業界の売買手数料無料化の流れが加速している。米証券大手のチャールズ・シュワブは10月1日に手数料撤廃を発表。国内でもSBIホールディングスは10月30日の決算発表にて、傘下の証券会社の取引手数料を今後3年でゼロにする構想を打ち出した。
- 資産運用会社も無料化チキンレース? まだ残る3つの収益源
株式売買手数料だけでなく、投資信託でも進むコストゼロ化。日本資産運用基盤グループの大原啓一社長は、「戦略性がなく、顧客の課題を解決する意識も欠如している。チキンレースではないか」と評する。無料化の流れの中、アセットマネジメントビジネスに残る、3つの収益源とは?
- 松井証券が1日50万円までの株式取引手数料を無料に 東証銘柄9割が無料で取引可能
松井証券は12月23日から、1日50万円までの株式取引手数料を無償化すると発表した。従来、1日10万円までの手数料が無料だったが、上限金額を引き上げる。これによって、東証上場株式の9割以上が手数料無料で取引できるとしている。
- 楽天証券、SBIも投信買付無料化 信用、現物は部分的に無料化
証券業界の売買手数料無料化の流れが加速している。ネット証券トップ2社も、auカブコム証券やマネックス証券などの動きによって、無料化を早めた。
- コロナ下で絶好調の楽天証券、米国株取引数は17倍に
2020年1-6月期の楽天証券の業績は絶好調だった。コロナの環境下で株価の値動きが激しくなり、世界的にオンライン証券は好調。新規顧客が増加し、取引高も増加した。米国株の取引が活況で、取引数は17倍に増加した。一方で、将来に向けて取引手数料の無料化の検討は進めるものの、タイミングは「様子見」とした。
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