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» 2021年04月22日 20時00分 公開

「田舎暮らしは異世界」 限界を迎えたサラリーマンが退職して移住したら人生が変わった話(1/4 ページ)

講談社の新刊『漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件』の原作者&担当編集にインタビュー。

[高橋史彦,ITmedia]

 『漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件』――講談社が4月23日、一風変わったコミックスを発売する。同社の人気作『転生したらスライムだった件』をほうふつとさせる響きだが、内容は異世界転生ものではない。タイトル通り、元漫画編集者による実体験をベースにした都会脱出&農ライフ漫画だ。

漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件 単行本1巻

 原作者のクマガエ氏は漫画編集者として2009年〜2015年に講談社で勤務。会社員生活に限界を感じ、翌16年に退職。夫婦で千葉県匝瑳市(そうさし)へ移住し、米作りを始めた。現在は千葉県の別地域で、米と野菜を半自給しつつ、フリーランスの編集者、漫画原作者として活動している。

 「漫画編集者が会社を辞める」「都会から田舎へ引っ越す」「会社員から漫画原作者になる」「田舎暮らしの経験を漫画化する」。どれか一つなら珍しくないが、全てがそろうことは異例だ。一体どのように作品が生まれ、なぜ会社員生活に限界を感じたのか。原作者のクマガエ氏と担当編集の田村氏に話を聞いた(全2回の1回目/後編に続く)。

漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件 クマガエ氏

予想外の流れで漫画原作者に

 同作はやや特殊な経緯で誕生した。クマガエ氏は実は漫画原作者になることを全く考えていなかった。きっかけは20年にあった夫婦の会話。妻・ルキノ氏はコスプレイヤー、女優などで活躍し、経済的にも自立していた。ただ、同年夏の結婚式後に“電池切れ”状態となり、夫婦での話し合いの末、「クマガエ氏がもっと働く」という結論になった(参考:ルキノの履歴書)。クマガエ氏は田舎生活の傍ら、17年からコミックス編集の仕事をフリーランスで請け負い、年200〜300万円ほど得ていたが、収入を増やす必要に迫られた。そこで、相談した1人が元同僚かつ先輩の講談社・村松氏だった。村松氏は『食糧人類』『中間管理録トネガワ』『1日外出録ハンチョウ』『上京生活録イチジョウ』などを立ち上げたヒットメーカーで、当時はコミックDAYS(講談社21誌がまとめて購読できる)の責任者を務めていた。

 「村松さんは僕が漫画編集者としてどこかの編集部に所属することを想定していたようです。『各誌の編集長に聞いてみるよ』といって各所にメールを送ってくれました。20年2月頃だったので、『リモートだとちょっと厳しいかもしれない』とも聞いていました。そうしたらイブニング編集長の土屋さんが『前から田舎暮らし漫画をやりたかった』と反応してくれて、打ち合わせをすることになりました」

漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件 再現されている(※漫画は実体験ベースのフィクション)

 打ち合わせの場で、田舎暮らしを始めたいきさつを話していると、土屋氏から予想外の言葉が飛び出てきた。「それ面白いから漫画にしよう。企画書作って原作書いてみてよ」。漫画原作は未経験だったクマガエ氏だが「やるしかない」と思った。

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