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» 2021年04月23日 16時00分 公開

会社を辞めて田舎暮らしを始めた元編集者が“自信と安心感”を得た理由(1/4 ページ)

講談社の新刊『漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件』の原作者&担当編集にインタビュー後編。

[高橋史彦,ITmedia]

 講談社が4月23日に発売した『漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件』。原作者、作画担当ともに40代にして初コミックスという、壮年の新人コンビによるデビュー作だ。内容はタイトル通り、元漫画編集者の実体験をベースに、都会脱出&農ライフを描く。

漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件 単行本1巻

 原作者のクマガエ氏は講談社に出向して6年働き、会社を退職後、田舎へ移住。そして本人も予想しなかった形で漫画作りの現場に戻ってきた。コミックス刊行にあわせて実施したインタビュー前編では、作品の誕生経緯、会社員時代に味わった限界などを聞いた。後編では、田舎暮らしの様子、移住して変わったこと、そして本作の狙いをお届けする(全2回の2回目)。

家賃1万円なら会社辞めてもなんとかなる

 漫画編集者時代に住んでいた渋谷区の物件は、1Kで家賃12万円だった。移住先の古民家は4LDKで家賃1万円。匝瑳市の田んぼを借りると決めた時点では、東京から通うことを考えていた。

 「でも、どうせ会社を辞めたら払えなくなる。田舎の空き家なら家賃1万円。それならなにかしらやって生きていけるはず」

 そう判断して退職の意を伝えた。勢いのまま移住し、しばらくは有給消化をしつつ、週3日会社へ通い、週末に田んぼの世話をする生活に。ただ古民家暮らしは想像以上にハードで、妻の体調不良もあり、2カ月ほどで匝瑳市と東京の中間地点に移った。新しい住居は2DKで7万3000円。広さは渋谷区時代の倍ある。

 移住から半年ほどたったある日、別の編プロから声がかかり、フリーランスとしてコミックス編集に携わることに。そこでようやく収入面での見通しがたった。

漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件 1軒家の空き家がある

「自分で食べる米を自分で作れる」ことの安心感

 田舎暮らしで大きく変わったことは生きる上での自信と安心感だという。それを与えてくれるのが「自分で食べる米を自分で作れる」ことだ。

 「究極的にいうと、食いっぱぐれないためにお金を稼いでいるじゃないですか。食い物を自分で作れるというのはすごいですよ。たとえ預金が少なくても米あるしな……と思える。米が作れたら餓死はしない」

 生活していると、農家の知り合いが増え、野菜が格安で大量に手に入るようになった。車で走れば湧き水もある。そういうライフラインがある田舎で、会社員時代よりはるかに健康的で自由な日々を得た。

漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件 シンプルな事実
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