1年間で4万台以上! ネットワークカメラ「ATOM Cam」が売れている秘密あの会社のこの商品(3/6 ページ)

» 2021年04月30日 07時48分 公開
[大澤裕司ITmedia]

既存品の活用で高いコストパフォーマンス実現を目指す

 高性能で簡単に使えるものを安く売ることで普及させ、これに伴ってクチコミが拡散すればさらに広がる。こう分析した青山氏が「ATOM Cam」の開発でこだわったのが、コストパフォーマンスの高さであった。

 コストパフォーマンスの高いものをつくるために、高い販売実績がある既存品の活用を考えた。そうした製品であれば初期不良は対策済みで、改修やアフターケアにコストがかからない。本音は、イチからオリジナルの商品をつくることにあったが、それはいったん脇に置くことにした。

サイズは幅50×奥行50×高さ56(単位:ミリ)とコンパクト。同梱のUSBケーブルと電源アダプターを使いコンセントに接続して使う。本体には磁石が内蔵されており、金属面ならそのまま取り付け可能。金属面以外に取り付ける時は同梱の金属プレートと両面テープを用いる

 パートナーとなるハードウェア製造元との相性の良さも踏まえながら見つけたのが、中国企業が製造するネットワークカメラであった。この会社が製造するネットワークカメラは、中国はもちろんのこと米国でも販売。米国ではWyze Labs社から「Wyze cam」として販売されており、2年間で600万台販売している。

 カメラ本体には手を加えず、後から機能を追加しやすいようファームウェア(ハードウェアを制御するためのソフト)をつくり変えて日本市場で販売する。青山氏の当初プランはこのようなものだった。

 21年1月、同社は日本で受け入れられるかどうかの検証とパートナー企業に日本市場で売れることを証明するため、クラウドファンディングにチャレンジする。目標金額は1000万円。44日間実施し、36日目で目標を達成した。

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