1年間で4万台以上! ネットワークカメラ「ATOM Cam」が売れている秘密あの会社のこの商品(4/6 ページ)

» 2021年04月30日 07時48分 公開
[大澤裕司ITmedia]

予定外の改良でデザイン以外は完全に別物に

 ところが、クラウドファンディングのチャレンジでハードウェア改良の必要性を実感する。青山氏は次のように話す。

 「クラウドファンディングで支援者に、今後ほしい機能についてアンケート調査したところ、人体検出のような『エッジAI』に関連したものが多いことが分かりました。エッジAIに対応するにはスペックが足らず難しかったことから、将来の機能拡張を考慮してつくり変えることにしました」

動体検知機能により、動きを察知したらスマートフォンにアラートを送信
1つのスマートフォンアプリで複数台のATOM Camの管理が可能。1画面で一度に4台確認できる。4台以上管理している場合は、画面をスライドすることで残りを4台ずつ確認

 改良前との大きな違いはCPUとメモリー。CPUはそれまで1GHzに満たなかったが1.5GHzに、メモリーはそれまでのほぼ倍になる128MBに変更した。中身がガラっと変わったことに伴う信頼性検証は、クラウドファンディングの支援者にテスト機を送り、評価してもらうことにした。

 「将来的なことを考えれば、先に処理能力を上げておいたほうが新機能の開発がやりやすくなりますし、ハードウェアの変更はそう簡単なことではありません」と青山氏。パートナーである中国企業とは一定の販売量を約束することで製造コストを可能な限り抑えてもらうことにした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.