クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
連載
» 2021年05月10日 07時00分 公開

トヨタ豊田章男氏の主張は、我が身可愛さの行動なのか?高根英幸 「クルマのミライ」(1/4 ページ)

電動化=脱エンジンなのか? それとも、日本の産業構造を一気に変えるようなことができるのだろうか。たしかに今ここで日本の産業構造を変えなければ、かつての半導体の二の舞いになる。そこで自動車産業を日本の基幹産業として存続させるためには何が必要なのか、ここで考えてみたい。

[高根英幸,ITmedia]

 クルマの電動化について、本質を理解して本気で立ち向かっている人は、果たしてどれだけいるのだろうか。そもそも現況の厳しさを本気で理解している人は、どれだけいるのだろうか。

 そう思ったのは、トヨタ自動車の豊田章男社長が自工会会長として3回に渡って、日本の自動車産業の危機を訴えた会見を見たからだ。ここまで悲痛なメッセージを発信しているのは、それだけ事態が深刻だからという見方もできる。

 目標を掲げることは誰でもできる。問題は「正しい方法で、その目標に向かってどれだけの努力ができるか」ではないか。

 緊急事態宣言のように、「発令すれば国民が従ってくれる、大した罰則がなくても自粛してくれるだろう」という、能天気とも思えるような政策しか打ち出せない政権だからこそ、コロナ対策においてもワクチン確保や接種において世界から遅れてしまうのでは、そんな思いさえしてしまう。

 我々は、電動化=脱エンジンだと思い込んでしまう、短絡的な発想しかない指導者たちを嘆くしかないのだろうか。それとも日本の政治家たちは、日本の産業構造を一気に変えるようなことができると思っているのだろうか。

 しかしながら落ち着いて考えてみれば、確かに変革は必要だ。豊田章男会長も、「自動車産業は100年に1度の大変革に見舞われている」と断言している通り、今ここで日本の産業構造を変えなければ、かつての半導体の二の舞いになる。そこで自動車産業を日本の基幹産業として存続させるためには何が必要なのか、ここで考えてみたい。

トヨタの生産工場の屋根に設置された太陽光パネル。同社はハイブリッド車を生産するにあたり、LCAを抑えるために工場内に太陽光パネルの設置を積極的に行ってきた。
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