クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
連載
» 2021年03月15日 07時00分 公開

メーカー直販EC、カーシェア、EV化の三重苦 日本の自動車ディーラーは今後どうなる?高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)

ここ5年ほどで、自動車ディーラーの店舗が大きく様変わりしてきている。10年に1回はリフォームなどで清潔感や先進性を維持するのが通例となっているが、このところディーラー再編に伴う建て替えと、新しいCIに沿ったイメージへの転換に向けた建て替えという2つの理由で、かなりの数のディーラーが、それまでと一新する装いを放ち始めたのだ。だが、そんな戦略もコロナ禍ですっかり狂ってしまった。

[高根英幸,ITmedia]

 ここ5年ほどで、自動車ディーラーの店舗が大きく様変わりしてきている。10年に1回はリフォームなどで清潔感や先進性を維持するのが通例となっているが、このところディーラー再編に伴う建て替えと、新しいCI(コーポレートアイデンティティ)に沿ったイメージへの転換に向けた建て替えという2つの理由で、かなりの数のディーラーが、それまでと一新する装いを放ち始めたのだ。

 端的にいえば、どこのブランドも高級感を高めるデザインや仕立てを強調してきている。軽自動車でさえ200万円台の予算が珍しくなくなっている現在、車格やブランドに見合った、という前提はあるものの、店舗の高級感は高まる傾向にある。同時にクルマで行きやすい立地、駐車場へのアプローチなど、来店の機会を獲得するための工夫も随所に見られる。

 さらに、ユーザーとの接点を得るために、自動車ディーラー各社はさまざまな手段を講じてきた。例えば大型ショッピングモールに常設、あるいは期間限定イベントとして車両を展示するのも、買い物客に新型車を見てもらう、触れてもらうための策だ。

 ショッピングモールにはクルマで来店する客が多い。クルマを買い替える気などなかった人でも、最新のクルマに採用されている数々の先進装備に触れると、購入意欲がわいたり、次回の買い替えの参考にしてもらうきっかけになる。

 そこで購入意欲を起こさせ、ディーラーへと誘導することにより、受注を獲得していたケースは珍しくない。だが、そんな戦略もコロナ禍ですっかり狂ってしまった。

 感染を防ぐ移動手段としてクルマが見直された部分もあるが、それによって得られた需要増は限定的なもので、一定期間を過ぎれば、通常の代替えサイクルに落ち着くだろう。そして5年先、10年先という長い目で見れば、ディーラーはこれまでのような収益を維持していくことはかなり難しいといわねばなるまい。

日産が2018年から導入を進めている新しい店舗イメージ「ニッサン・リテール・コンセプト」に基づいた都内のディーラー。程よい高級感と清潔感があり、スペースに余裕を感じさせる。駐車場のスペースやデザインも配慮されており、もちろん急速充電器も用意されている
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