日産自動車がスカイラインに「プロパイロット2.0」を搭載して発売したことは、レベル3の自動運転がいよいよ現実のものとなりつつあることを感じさせる。厳密にはプロパイロット2.0はレベル3には到達しておらず、ドライバーは常に前方の交通に注意を払わなくてはならないし、車線変更時にはウインカーレバーを操作するだけでなく、ステアリングを握らなければならないという制約がある。
それでも高速道路上の同一車線だけでも手放し運転が可能になったことは、法整備も含めて大きな進歩だと思うが、果たしてこれがドライバーのためになるのかは、議論を呼びそうだ。というのも、レベル3の自動運転に関しては、自動車メーカーによって対応が大きく分かれるからだ。
ちなみにSAE(米国自動車技術会)が定めた自動運転のレベルは、すべてをドライバーが操作するレベル0から、一切ドライバーが運転操作をすることがないレベル5までの6段階に分かれている。レベル1はACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール=追従機能付き巡航装置)や、LKS(レーン・キーピング・システム=車線維持支援)などが単独で機能するもので、レベル2はこれら2つ以上が協調して制御されるものだ。レベル3まではドライバーに運転の権限(=責任)があり、高速道路など限定領域での自動運転が可能となるレベル4以上は車両側に運転の権限がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング