日米欧中で消費者を対象にQRコード決済に関する利用実態を調べたところ、日本の使用率は6割にとどまった。英国の9割超、中国の8割超、フランスやドイツ、米国も7割を超えている中、日本が最低だった。
この調査はIT資産管理などを提供するイバンティ(米国ユタ州)が2月に行ったもの。18歳から60歳の男女4157人を対象に行った。
英国や中国では過去12カ月で「QRコード決済が使用できる場所が増えた」と思う人が3割にのぼっており、コロナ禍による非接触ニーズから急速に利用場所が増加したようだ。
欧米でもQRコード決済が普及の途についたようだが、活用度合いでいうと中国が先行している。中国では8割以上が「仕事でQRコードを使用する」と答えたのに対し、日欧は4割前後にとどまった。また米国は1割以下だ。金融取引での利用も、中国では8割を超えているのに対し、同様の傾向となった。
「中国では、飲食店での決済や交通機関の利用などに加え、オフィスの入退室管理などビジネスでの活用も広がっている。さらに最近は、都市を移動する際に、自身の健康状態を証明するために利用されるなど生活のあらゆる場面にQRコードが浸透している」(イバンティ)
中国では7割が「QRコードによって快適な生活が送れている」と答えたが、その一方で「QRコードの使用に抵抗がある」とした人は9割近くに上った。しかし6割が、抵抗はあるもののQRコードを使用すると答えており、生活に深く浸透していることがうかがえる。
QRコード使用の際に、怪しいサイトに誘導されるなどのQRコード不正については、中国では7割以上が「経験がある」と答えた。一方、日本は4割未満、北米では1割未満にとどまった。また、「悪質なQRコードの判別はできますか」という問いに対して、中国では8割ができると回答しており、不正に対する利用者の経験値も高いことも明らかになった。
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