最近さまざまなホテルで見られる“デュベスタイル(羽毛布団を掛け布団カバーで包むスタイル)”のベッドメークも、アパホテルは率先して導入してきた。さらにベッドそのものについても注目すべき点がある。アパホテルは、オリジナルベッド「Cloud fit(クラウドフィット)」を開発し、大規模な導入を進めてきた。フワフワした体感は好みも分かれるだろうが、いずにしても宿泊特化型タイプのホテルブランドでオリジナルマットレスは希有(けう)だ。
アパホテルでは、大浴場をかなり前から積極導入していることでも知られる。アパホテルの客室に入ると、ベッドの上に折り鶴が置かれているのを記憶している方もいるだろう。これは「ビジネスホテルで温泉旅館のおもてなし(旅館=大浴場)」というコンセプトの具現である。
また、サウナや露天風呂を設けた店舗も多く、アパホテルを選ぶポイントというゲストの声もある。ただし、ビジネスホテルという範疇(はんちゅう)でいえば、例えば共立メンテナンス(東京都千代田区)が運営する「ドーミーイン」など、大浴場へ徹底してフィーチャーしたブランドが際立っており、大浴場がアパホテルの強みとまでは言い切れないのもまた事実である。
以上のように、大画面テレビ/デュベスタイルのベッドメーク/大浴場など、今となってはビジネスホテルのスタンダードとなったサービスをいち早く採り入れていたのもまたアパホテル。賛否渦巻くホテルブランドであるが、利用者目線を視座とするホテル評論家としては、客室のみに着目しても先見性という点で注目してきたブランドというのは間違いない。
バブルの名残 温泉街の「大型施設」が廃墟化 鬼怒川と草津の違いと「大江戸温泉物語」の戦略
1泊20万円超も コロナ禍なのに高級ホテルが続々開業するワケ
国内に75万室! 供給過剰のビジネスホテル インバウンド消失で生き残る策はあるのか
JAL、「サウナー」向けパッケージ商品発売 サウナ愛好家は650万人以上
ホテルニューオータニ、部屋を“レストラン”化したサービスを延長 緊急事態宣言の期間延長に伴いCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング