キャッシュレス推進協議会は、2020年のコード決済の利用状況データを公表した。2020年の決済金額は4兆2003億円となり、19年の1兆1205億円から約3.5倍に増加した。また月間アクティブユーザー数(MAU)は19年の1854万人から3636万人へと倍増した。
店舗での月間決済金額の推移(キャッシュレス推進評議会)
月間アクティブユーザー数の推移(キャッシュレス推進協議会)
月次データを見ると、20年12月の決済金額は4837億円となり過去最高。店舗での決済件数も2億9668万回と、連動して増加が続いている。クレジットカードの決済金額は年間約63兆円、月間で5〜6兆円規模(日本クレジット協会)となっており、クレジットカードの1割弱まで増加してきたかたちだ。
トレンドが見られるのが、クレジットカードを経由したコード決済の増加だ。19年は決済金額の14%に過ぎなかったが、比率は徐々に上昇。20年12月には29%がクレジットカードからの決済となっている。
また多くのコード決済では、いったんチャージを行った後にその残高から支払う形を取るが、チャージ残高も増加トレンドにある。19年のチャージ残高は1122億円(12月末時点)だったが、20年12月末には2473億円と倍増した。
絶対額としては小さいものの、サービス内での送金金額も増加している。20年12月には月間で203億円が送金されており、決済金額の増加と歩調を合わせて増加している。
月間送金金額と件数の推移(キャッシュレス推進協議会)
コード決済の市場データは、ユーザーアンケートなどに基づく推定値が多いが、このデータはキャッシュレス推進協議会が、キャッシュレス事業者16社から提供を受けたデータを集計したもの。PayPay、LINE Pay、楽天ペイ、d払い、au PAYなど主要事業者が含まれている。
2020年のキャッシュレス業界 けん引したのは結局クレカ
20年のデータが出そろっていない段階ではあるものの、18年以降にキャッシュレス決済比率を押し上げたのはクレジットカードの利用増にある。PayPayが100億円規模の大規模キャンペーンを立ち上げ、いわゆるキャンペーン合戦によるシェアの奪い合いが激増したが「一番利用が多いPayPayでさえ全キャッシュレス決済の1割にも満たない」という声を聞いている。
QRコード決済市場規模、1兆8369億円に急伸 24年には10兆円超
矢野経済研究所は12月24日、国内QRコード決済市場の調査結果を発表した。2019年度は、市場が本格的に立ち上がり、加盟店手数料無料化や大型キャンペーン、政府のキャッシュレス還元などの結果、取り扱いベースで1兆8369億円と推計した。
2021年のキャッシュレス業界 銀行の逆襲が始まるか
国内では依然としてクレジットカードがキャッシュレス決済の大部分をけん引する。一方で、クレジットカードだけではカバーできない層にまで浸透する新しい決済手段としてスマートフォンを使ったコード決済やアプリ決済が登場し、ニーズの隙間を埋めつつ、従来の決済インフラでは現金利用が中心だった層においてもキャッシュレス経済圏を拡大すべく市場が広がりつつある。
PayPayユーザー数3500万人突破 日本の人口の3割に
PayPayのユーザー数が1月4日時点で3500万人を突破した。2020年10月19日に3300万人に到達しており、2カ月半で200万人増加した。
PayPayマネー? ボーナス、さらにライト? なぜ電子マネーの残高は複雑なのか
そもそもなぜ似たような残高やポイントに、複数の種類があって期限などが異なるのだろうか。また、どうして手間のかかる本人確認が必要な場合と、必要でない場合があるのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.