トヨタは6月10日、新型ランドクルーザー(300シリーズ)を、世界初公開した。2007年に登場した200シリーズの後継となる高級SUV。ランドクルーザーの本質である「信頼性・耐久性・悪路走破性」は進化させつつ継承し、世界中のどんな道でも運転しやすく、疲れにくい走りの実現を念頭に開発したという。
ランドクルーザーは「TOYOTA BJ型」として1951年8月に誕生。自動車として初めて富士山6合目までの登山に成功するなど、厳しい環境で高い走破性を発揮し、全国各地でパトロールカーとして採用されている。以降、世界170の国と地域で、累計約1040万台、年間30万台以上を販売してきた(2020年末時点、LEXUS LX、GXを含む)。
新型ランドクルーザーでは、フレーム自体を新設計し、軽量・高剛性化を実現した。フレーム、車体を含めた車両全体の軽量化(−200キログラム)や低重心化、重量配分・サスペンション構造の改善などを進めた。また、「凄腕」「匠」といった社内のテストドライバーやダカールラリー出場ドライバーらによる実路走行を行い、オンロード、オフロードの双方で運転しやすく、疲れにくいクルマを目指した。
悪路走破性のさらなる向上のため、サスペンションの基本性能(ホイールアーティキュレーション : タイヤの浮きづらさ)を向上。世界初となる「E-KDSS(Electronic Kinetic Dynamic Suspension System)」を採用し、接地性も向上させた。また、ドライバー視点で障害物を直感的に可視化できる「マルチテレインモニター」や走行路面を判定し自動でモード選択する「マルチテレインセレクト」を採用した。
パワートレーンは、従来型V8エンジンから、新開発のV6ツインターボエンジン(3.5リットルガソリン、3.3リットルディーゼル)へと変更。クラストップレベルの動力性能とドライバビリティの実現を図った。環境性能も向上させた。新開発のDirect Shift-10AT(10速オートマチックトランスミッション)の採用やボディーの軽量化と合わせ、従来型との比較で、車両使用時の年間CO2排出量を、グローバルの全台数分で約10%低減できる見込みだという。
外装は、過去のランドクルーザーデザインを継承。オフロード走行時のダメージを受けにくいランプ位置やバンパー造形などを追求した。内装は、悪路状況でもクルマの姿勢を捉えやすい水平基調のインストルメントパネルを採用。直感操作ができるスイッチ類を機能ごとにレイアウトし、形状や色など操作性を考慮したデザインとすることで、快適性の追求も図った。
パッケージは悪路走破性を重視し、全長・全幅・ホイールベースなどの車両サイズと、ディパーチャーアングル・アプローチアングルは、一部グレードを除いて従来型を踏襲した。
同社は、新型ランドクルーザーの発売を21年夏以降に予定している。
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