手元のスマホで多くの情報にアクセスでき、YouTube、SNSといったあらゆるツールで手軽に世界へ情報発信ができる。社会の変化に伴い、人生の選択肢は多様になった。さらにコロナ禍で社会の変化は加速している。
そんななかで自分の中にブレない芯を立て、それを「やりきる」にはどうすべきか。ホリエモンこと堀江貴文氏が自身の経験から経営者に必要な「やりきる力」を語る。
時間・お金の使い方、人間関係など日常生活に関わる事柄から、退路を断つ、のめり込む、頭を使う、熱中するといったビジネスマインドまで。自身が起こした宇宙事業や、過去の失敗エピソードを交えて経営者としてのメッセージを贈った近刊『やりきる力』(学研プラス)から堀江氏が考える「経営者に必要な能力」について語ってもらった。
僕は普段から、ビジネスと遊びの境界のない毎日を過ごし、たくさんの仲間に囲まれている。コロナ禍に見舞われてから、さすがにビジネス会食の機会は減ったが、気の合う知人や友達と語り合う場は失っていない。
そして、そういった仲間たちと話しているうちに、ビジネスのアイデアが生まれる。性格的に寂しがり屋でもあるので、起きている間は、何人もの面白い仲間と笑って過ごしているのが好きだ。
ただし、寂しがり屋ではあっても、知らない人から声を掛けられるのは大嫌い。どこかで僕を見つけても、知り合いでなければ絶対に寄って来ないでと、強く述べておく。
僕は面白いことをたくさんやりたい。だから、自然と仲間が増える。仲間になった人へのサービスは、割とあついほうだ。いい企画があれば呼びかけるし、助けを求められたら可能な範囲でサポートする。友情は大切などと言うつもりはないけれど、面白い時間を過ごせる味方は、多いほうがいいに決まっている。
ビジネスパーソンとして僕が一定の成功を得られたのは、優れたパートナーや仲間に恵まれたからだろう。共に戦い抜いてくれた彼らには、感謝しかない。
一方で、仲間からの裏切りにも、たびたび遭っている。リスクマネジメントは徹底しているつもりだが、人の心だけは、どうにもならない。背中から不意打ちされるような、崖に突き落とされるような、ひどい裏切りを何度となく経験している。
一番大きな裏切りは、ライブドア事件での元部下の行動だろう。身に覚えのない告発から始まって、僕は社会的地位も財産も全て失った。本当にひどい裏切りだったけれど、恨んだり、思い出したりすることは1秒もない。
ビジネスパートナーに裏切られて、いつまでも恨み言を言っている経営者たちがいるけれど、「それってもう、過ぎたことじゃないの?」と僕は思う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング