ホリエモンが語る「裏切りへのリスクヘッジ」 信用とスピード感はトレードオフ堀江流・経営者に必要な『やりきる力』(3/3 ページ)

» 2021年06月13日 10時40分 公開
[堀江 貴文ITmedia]
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自分を信じてさえいれば、人は決して折れない

 そもそも、人に裏切られないための「絶対の方法」なんてないのだ。

 他人の心は分からない。もし、あなたが裏切られたとしたら、そこに相手なりの都合と理屈があっただけのことだ。相手が考えることに、こちらから関わることはできない。裏切られたときの正しい対処法は、ひとつだけ。許すことだ。

 人間の価値観は多様だ。年齢や環境によって微妙に変わってくる。かつては強固だった信用が、揺らいでくるようなこともあるだろう。

 自分が勝手にその人を信じて関係をつないだのだから、いつか信用を傷つけられたとしても、許すしかない。その人の「裏の顔」を受け入れるのだ。人間関係は、そのぐらいがちょうどいいのではないか。

 他人も自分も、変わり続ける。これは真実だと受け止めよう。仲間や友達の裏切りがつらいという人は、きっと他人に期待しすぎている。「あの人も自分も、決して変わらない」という思い込みを捨てれば、裏切られても、必要以上にがっかりしないものだ。

 期待することのベクトルは、他者に向けてはいけない。僕はライブドア事件のとき、全てを失ったけれど、自分への期待だけは失わなかった。

 僕が新しいことをやれば、それまでとはまったく違う景色へ飛び出して、まったく違う感動を得られるのだ――。そうやって、自分を信じていた。

 他人は信じない。それは冷たい態度ではなく、自分を守る最低限のリスクヘッジだ。人間関係に振り回されて心が消耗している人は、他人と上手くやるための「コミュ力」なんかより、もっと自分への「期待力」を鍛えたほうがいいと思う。

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