ホリエモンが書店ビジネスで勝てた理由 ブルーオーシャン戦略を考え抜き、価値を「再定義」せよ堀江流・経営者に必要な『やりきる力』(1/4 ページ)

» 2021年06月19日 08時00分 公開
[堀江 貴文ITmedia]
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 手元のスマホで多くの情報にアクセスでき、YouTube、SNSといったあらゆるツールで手軽に世界へ情報発信ができる。社会の変化に伴い、人生の選択肢は多様になった。さらにコロナ禍で社会の変化は加速している。

 そんななかで自分の中にブレない芯を立て、それを「やりきる」にはどうすべきか。ホリエモンこと堀江貴文氏が自身の経験から経営者に必要な「やりきる力」を語る。

 時間・お金の使い方、人間関係など日常生活に関わる事柄から、退路を断つ、のめり込む、頭を使う、熱中するといったビジネスマインドまで。自身が起こした宇宙事業や、過去の失敗エピソードを交えて経営者としてのメッセージを贈った近刊『やりきる力』(学研プラス)から堀江氏が考える「経営者に必要な能力」について語ってもらった。

堀江貴文(ほりえ・たかふみ)1972年福岡県八女市生まれ。実業家。SNS media&consultingファウンダーおよびロケット開発事業を手掛けるインターステラテクノロジズのファウンダー。現在は宇宙関連事業、作家活動のほか、人気アプリのプロデュースなどの活動を幅広く展開。2019年5月4日にはインターステラテクノロジズ社のロケット「宇宙品質にシフト MOMO3号機(MOMO3号機)」が民間では日本初となる宇宙空間到達に成功した。著書に『非常識に生きる』(小学館集英社プロダクション)、『やりきる力』(学研プラス)など(以下、2020年1月、山崎裕一撮影)

最低限の「戦略」は、持っておくのがベター

 ここまで、数をこなせ、失敗しろと述べてきたが、思考停止のままチャレンジの数を稼げばよいと言っているわけではない。そんなものは、「やりきる力」でも何でもない。

 何も考えず、思考停止のまま失敗を繰り返しても、得られるものは何もない。まず行動し、上手くいかなかったらその原因についての仮説を立て、問題を克服していく――。この繰り返しがあってこそ、数をこなしていく本当の意味がある。“なんとなく”行動しても、求める結果なんか手に入らない。

 失敗したら、なぜ失敗したのかをとことん考えろ。思考停止に陥るな。ふらふらになるまで頭を使って、考えて、考え抜け! どんな難問でも、考え抜いた先に、必ず答えが見えてくる。

 僕のメルマガには、起業のアドバイスを求める相談が多く寄せられる。時代がどんなに変わろうと、やはり飲食業の人気は高い。会社員時代から飲み歩きが大好きで、グルメを自認している……。そんな人が事業を興したいとき、「おいしい飲食店を自分でやろう!」と思うのは、自然なことだ。

 舌に自信があるのと経営は全然違うのだから、やめておけなんて無粋なことは言わない。食べ歩きが大好き、だから飲食店を手掛ける! それで結構だ。

 ただし、やる以上、無謀はいけない。思い付くままにすぐ行動してもいいけれど、おそらく起業の時点でそれなりに資金を投じたり、借金したりするのだから、最低限の戦略は立てておいたほうがいいだろう。

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