僕はこうして、他社とは違うフィールドで勝負するブルーオーシャン戦略を考え抜いた結果、ビジネスで勝つことができた。
書店とは、本を売るだけの場所ではない。書店の根源的な価値を、街の知的なハブ、つまり、普段から本を読んでいる比較的知的レベルの高い人たちが集まる場所である――と再定義した。僕たちが参入した当時、そのような書店は稀少(きしょう)な存在だったのだ。
ビジネスの定義・設計ができていると、おのずとやるべきことが明白になる。水平展開のアイデアもどんどん出てくる。そして、それらをスピーディーに実行していくことによって、収益がついてきたのだ。
書店従事者のほとんどは、「書店経営では儲からない」と言っている。だが、僕はそうではないと考えている。古くから業界全体が、自分たちを守る制度に甘え続けて、現場の人たちが何も行動してこなかったツケを、いま払わされているだけだ。
これは書店ビジネスばかりでなく、どんなビジネスにも通じる真理だ。大阪でたこ焼き屋の店舗を探す以外にも、活路はいくらだってあるのだ!
従来の仕組みを再定義して、新しい価値を創造する。魅力的なサービスづくりのために、手を抜かない。大事なのは有利な条件を追い求めることでも、運頼みをすることでもなく、めげずに試行錯誤をやりきって、結果につなげることだ。
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